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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻6号

1982年06月発行

文献概要

研究

高速液体クロマトグラフによる血中バルプロ酸の濃度測定法

著者: 榊原洋一1 横地章子2 榎本省子2 北住映二2 児玉和夫2

所属機関: 1東京大学医学部小児科学教室 2心身障害児総合医療療育センター(整肢療護園)

ページ範囲:P.719 - P.723

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 バルプロ酸(ジプロピル酢酸,以下VPAと略す)は1960年代の半ばに初めて臨床的に使用された,比較的新しい歴史を持つ抗てんかん剤であるが1),広い抗てんかんスペクトルムを持ち,また他の抗てんかん剤に比して副作用が割合少ないために広く使用されるようになってきている.特に小児科領域では,フェニトイン,フェノバルビタールに次いで多く使用される抗てんかん剤となっている2)
 最近のてんかん治療の進歩は,約70〜80%の患者を発作から解放することを可能にしたが,それにはVPAをはじめとする新しい抗てんかん剤の開発と,それらの薬物の生体内での薬理動態の解明が,大きく寄与していると言ってよいだろう.生体内での薬物の動態の解明は主としてガスクロマトグラフィー(GLC)によるところが多かったが,最近ではホモジニアスエンザイムイムノアッセイ(EMIT法)3,4)や高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定法も開発され5〜7),抗てんかん剤の血中濃度の測定は研究室のみでなく一般の検査室でも容易に行われる検査となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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