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研究
脳波における過呼吸賦活の定量的標準化—過呼吸標準化装置(過呼吸モニター)の試作による
著者: 堺雄三1
所属機関: 1九州大学医学部附属病院検査部脳波室
ページ範囲:P.94 - P.97
文献購入ページに移動はじめに
過呼吸賦活は,臨床脳波の通常的な検査でありながら過呼吸が被検者の主体性にゆだねられるため,被検者の換気に著しい不均一を生じることと,非定量的であることから,異常波の賦活効果,build upの臨床検査的意義などが必ずしも明確にされていない.著者は以前build up,発作性異常波,局在性徐波を賦活する一定した換気条件を安静時換気量の倍数で表し,呼気量を測定器で計測,コントロールすることで定量的標準化が可能であることを述べた2).今回はそれに基づき,被検者の過呼吸を一定の換気に標準化し,それを定量的にとらえる装置を開発した.これを用いて正常成人,てんかん成人の換気程度を一定にして,build upの相違を検討した.
過呼吸賦活は,臨床脳波の通常的な検査でありながら過呼吸が被検者の主体性にゆだねられるため,被検者の換気に著しい不均一を生じることと,非定量的であることから,異常波の賦活効果,build upの臨床検査的意義などが必ずしも明確にされていない.著者は以前build up,発作性異常波,局在性徐波を賦活する一定した換気条件を安静時換気量の倍数で表し,呼気量を測定器で計測,コントロールすることで定量的標準化が可能であることを述べた2).今回はそれに基づき,被検者の過呼吸を一定の換気に標準化し,それを定量的にとらえる装置を開発した.これを用いて正常成人,てんかん成人の換気程度を一定にして,build upの相違を検討した.
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