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研究
Auto Analyzer IIによる血漿チオシアネート測定法の検討と喫煙時におけるニコチン,コチニン,COヘモグロビンとの関連について
著者: 東栄吾1 玉田妙子1 谷田忠久1 井谷舜郎1 笹井三郎2 大森芳明3 池田文武3 村中日出夫3
所属機関: 1日本専売公社京都病院検査科 2日本専売公社京都病院麻醉科 3日本専売公社京都病院内科
ページ範囲:P.1171 - P.1175
文献購入ページに移動血液中チオシアネート(以下,SCN)は,一部キャベツ,かぶら,牛乳などの食物に由来するが,多くのものは,豆類,薬物の摂取,産業環境および喫煙などによって体内に吸収されたシアン化合物が肝臓で解毒作用を受けて生じたものである1).したがって,従来からシアンとともにその誘導体として,公衆衛生,疫学的研究の場で測定されていた.近年,神経系疾患(特に筋萎縮性側索硬化症)とシアン代謝との関連2)が注目されつつあり,今後シアンと同様にその生体における生理的あるいは病理的意義が明らかにされるにつれて,臨床との結び付きが強くなると考えられる.
われわれは,最近報告されたテクニコンAA-II型自動分析器によるSCN測定3)に関して基礎的研究を行い,満足すべき結果を得,さらにこの方法によって喫煙時における血漿SCNとニコチン(Ni),コチニン(Cot),カルボキシヘモグロビン(CO-Hb)との関連についても検討を加えたので,以下に報告する.
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