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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻13号

1983年12月発行

文献概要

今月の主題 モノクローナル抗体 カラーグラフ

悪性リンパ腫とモノクローナル抗体

著者: 小柴博文1 菊地浩吉1

所属機関: 1札幌医科大学病理学第一講座

ページ範囲:P.1580 - P.1583

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 ヒトのリンパ球はマウスと同様にTリンパ球,Bリンパ球に大別される.これらのリンパ球は細胞分化および機能的分化により,さらに細かい亜群に分類されてきている.これらの分類は,細胞表面に発現している抗原(マーカー)を指標としている.このような正常リンパ球分化に伴って表現される分化抗原が,リンパ球由来の腫瘍細胞においても表現される.これを応用し,悪性リンパ腫,リンパ性白血病の診断の分類が行われ,その由来,分化段階の合理的な推定が可能となった.近年,モノクローナル抗体が臨床にも応用され始め,診断のための不可欠な道具ともなりつつある.モノクローナル抗体は異種抗血清と異なり,特異性が高く,均一で高力価の抗体が使用できるので,悪性リンパ腫をはじめとするリンパ球増殖性疾患の分類に使用され始めている.現在,モノクローナル抗体を用いた悪性リンパ腫の分類はまだ不完全であるが,近い将来,良いマーカーの発見により臨床に密接した優れた分類ができるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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