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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻13号

1983年12月発行

文献概要

分離分析の技術Ⅱ・12

薄層ゲル濾過法—(2)酵素結合性免疫グロブリンの同定

著者: 大竹皓子1 堀井康司1 加野象次郎1

所属機関: 1慶応義塾大学病院中央臨床検査部臨床化学

ページ範囲:P.1628 - P.1636

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はじめに
 酵素結合性免疫グロブリンとは,血清中の酵素が免疫グロブリンと結合して高分子の形で存在しているものの総称である.1964年Wilding1)によって見いだされたマクロアミラーゼの例に端を発し,今日までにLDH,ALP (アルカリホスファターゼ),ALT,CK, AST, ACP (酸ホスファターゼ)などとの結合例が数多く報告されている.
 酵素と結合している免疫グロブリンはLDHではIgA (κ)型やIgG (κ)型が多く,アミラーゼではIgA (λ)型,ALPではIgG (λ)型が多いというように,免疫グロブリンのクラスとタイプに偏りが認められている2).また,酵素との結合部位が免疫グロブリンのFab部分にあることから,血中免疫複合物と考えられている3).鋭敏な活性を持つ酵素と結合しているため,その検出は容易である.日常分析の中ではザイモグラムの異常パターン,すなわち通常のアイソザイム分画以外のところに酵素活性帯が現れることや,血中と尿中の酵素活性のクリアランスの矛盾,さらには疾患に対応しない酵素活性の異常高値などから見いだされることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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