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分離分析の技術Ⅱ・2
高速液体クロマトグラフィー—(1)胆汁酸の分析法
著者: 辻章夫1 前田昌子1 鎌田智1
所属機関: 1昭和大学薬学部薬品分析化学教室
ページ範囲:P.186 - P.193
文献購入ページに移動胆汁酸は,胆汁中の主要成分であり,肝臓でコレステロールから生合成され,胆道を経て十二指腸に分泌されて小腸から再吸収され,門脈系を経て肝臓に戻る腸肝循環を行っている.この過程で胆汁酸は,その界面活性作用により脂質や脂溶性ビタミンなどからリン脂質のレシチンとともにミセルを形成して,消化吸収に関与している.また,この過程で肝臓でC−24位のカルボキシル基か,グリシンまたはタウリンにより抱合され,腸管中で細菌により脱抱合されて,7α位の水酸基の脱水酸化により二次胆汁酸の生成が起こる.
胆汁酸は,5β系のC24ステロイドに属し,その水酸基の数,位置および立体配置により一次胆汁酸のコール酸(cholic acid;CA),ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid;CDCA),二次胆汁酸のデオキシコール酸(deoxycholic acid;DCA),リトコール酸(1ithocholic acid;LCA),およびウルソデオキシコール酸(ursodeoxy cholic acid;UDCA)の5種の遊離型,グリシン抱合型およびタウリン抱合型の計15種が,ヒトにおける主な胆汁酸である(図1).
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