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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻2号

1983年02月発行

文献概要

資料

長期間IgM型の抗E抗体を保有していると推定された二症例

著者: 古坊孝志1 松崎廣子1 田中景子1 宮沢郁夫1 西真弘1 原訓子1 田村昇2

所属機関: 1東京警察病院中央検査第一部 2筑波大学基礎医学系

ページ範囲:P.207 - P.211

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はじめに
 日本人では,抗D抗体よりも抗E抗体がより多く検出されている.東大病院輸血部の資料によれば,一般患者における抗E抗体の検出率は抗D抗体のそれの約5倍である1).これは,日本人においてはE因子陽性の頻度が約50%で,陽性と陰性の頻度の差がないためにE因子の不適合が生じやすいこと,さらに免疫原性もD因子に次いで強いこと,などによるものと考えられている2)
 一般に,Rh因子に対する抗体は輸血や妊娠により産生される免疫抗体であり,その大部分はIgGクラスの抗体で不完全抗体として検出されている.今回われわれは,IgMクラスの抗E抗体を長期にわたり保有していると推定できた二つの症例を見いだしたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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