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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻5号

1983年05月発行

文献概要

研究

高速液体クロマトグラフィーによる血清遊離脂肪酸の同定と定量

著者: 下村𠮷治1 谷口清昭1 杉江利治1 村上雅之2 角田信三2 杉山理2 小沢高将2

所属機関: 1名古屋大学医学部生化第2教室 2中日病院臨床検査科

ページ範囲:P.561 - P.564

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 血中の遊離脂肪酸(FFA)は,生体組織における重要なエネルギー源の一つであるが,その濃度は栄養条件および疾病によって大きく影響を受けることはよく知られている.一方,そのFFAの主な組成は,正常な人において10種類近くの長鎖脂肪酸により構成されており1),体組織におけるそれらの脂肪酸の利用度は一様ではないことが明らかにされている2〜4).さらに,近年そのFFA組成と加齢1)および疾病5,6)との関連も検討され始めており,そのFFAの組成と各種脂肪酸量に対する関心が高まりつつある.
 従来,生体成分を含めある資料の脂肪酸組成を分析する場合は,脂肪酸をメチルエステル化してガスクロマトグラフィーにより分析する方法が主に用いられてきた.しかし,Nimura & Kinoshita7)によって,食品中の脂肪酸を蛍光物質である9-アンスリルジアゾメタン(ADAM)と結合させることにより,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって簡便に同定定量できることが報告された.本報告は,このNimura & Kino-shitaの方法を血清FFAの同定と定量に応用すべく,反応条件,操作に検討を加え,あわせて他の血清FFA定量法との比較検討を行ったものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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