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研究
真空浸透器を用いた組織の固定とパラフィン包埋
著者: 前田君子1 矢川寛一1
所属機関: 1岩手医科大学医学部病理学第一講座
ページ範囲:P.565 - P.570
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組織のパラフィン切片標本の作製過程において,パラフィン包埋に減圧が有効であることはすでに1800年代にFrancotte,Hoffman1)らが減圧により液体の交換を早め,組織処理時間を短縮できることを示したと言われている.その後パラフィン包埋における減圧の効果は,組織の処理時間を短縮するのみならず,組織の収縮を軽減し,薄切を容易にするとともに染色性にも優れていることが認められ2,3),近年では真空浸透器を用いたいわゆる吸引パラフィン包埋法が,バキュームロータリーなどにも応用され広く普及してきた.
また,組織の固定にも真空浸透器を応用し固定の迅速均等化を図り,死後の変化を防止しようとする試みもある4,5,7).
組織のパラフィン切片標本の作製過程において,パラフィン包埋に減圧が有効であることはすでに1800年代にFrancotte,Hoffman1)らが減圧により液体の交換を早め,組織処理時間を短縮できることを示したと言われている.その後パラフィン包埋における減圧の効果は,組織の処理時間を短縮するのみならず,組織の収縮を軽減し,薄切を容易にするとともに染色性にも優れていることが認められ2,3),近年では真空浸透器を用いたいわゆる吸引パラフィン包埋法が,バキュームロータリーなどにも応用され広く普及してきた.
また,組織の固定にも真空浸透器を応用し固定の迅速均等化を図り,死後の変化を防止しようとする試みもある4,5,7).
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