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EAプレートキットによる溶血活性測定の検討
著者: 西間木友衛1 粕川禮司1 富塚敏子1
所属機関: 1福島県立医科大学第2内科
ページ範囲:P.573 - P.575
文献購入ページに移動血清補体価の測定は,膠原病,肝疾患および腎疾患患者の診療上,必須の検査となってきた.血清補体価の測定法としては従来からの50%溶血法が広く行われてきたが,手技が煩雑であり,多数検体の測定には下向きなため,最近では,補体成分のC3とC4の蛋白定量法が臨床的なルーチン検査として普及するようになった.しかし,蛋白質と活性とは平行しないこともあり,また補体価は補体の最低成分により規定されるので,一成分の測定では,補体活性の全体的な表現にならないことがある.そこで,より簡便な補体活性の測定法が要求されている.
筆者1)らは,1976年に寒天内溶血法が補体価のルーチン測定法として応用できることを報告してきた.Martin2)やMilgrom3)らによって開発された寒天内溶血法は,抗体感作ヒツジ赤血球を含んだ寒天プレートの穴に新鮮血清を入れ,4℃で一定時間拡散させた後37℃に保ち,生じた溶血輪の大きさにより補体の溶血活性を表現しようとしたものである.このような感作血球含有寒天プレートを作製しておけば,多数検体の補体価を一度に測定することが可能であり,補体価のルーチン検査法として優れていると考えられる.以前に作製した感作血球含有寒天板では,長期の保存が困難であり,高補体価血清における溶血輪の伸びが悪いことが指摘されていた.
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