文献詳細
文献概要
今月の主題 血液凝固検査と合成基質 技術解説
プラスミノゲン,プラスミンの測定
著者: 松田保1
所属機関: 1東京都老人総合研究所生理学部臨床第二生理研究室
ページ範囲:P.863 - P.867
文献購入ページに移動 プラスミノゲンは,フィブリンを溶解する酵素であるプラスミンの前段階物質である.その測定法としては,プラスミノゲンを含む検体にウロキナーゼまたは少量のストレプトキナーゼを加え,これをプラスミンに転化させるか,またはこれに大量のストレプトキナーゼを加えてプラスミノゲンとの複合体を生ぜしめ,そのいずれかの蛋白質分解作用を測定する方法(活性測定)と,抗原—抗体反応を応用してその濃度を測定する方法(一次元免疫拡散法;SRID法)とがある.活性測定法のうち,プラスミノゲンを含まないフィブリン平板上に検体を載せ,その溶解面積を測定する方法は,検体から抗プラスミンを除去する必要がある点が難点である.これに対し,ストレプトキナーゼとプラスミノゲンの複合体がフィブリンを分解しないが,ある種の合成基質を分解することを利用した発色合成基質法は,この複合体に対する強力な阻止物質が存在しない点が有利で,広く用いられつつある.
掲載誌情報