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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査27巻9号

1983年09月発行

雑誌目次

今月の主題 レーザーと臨床検査

カラーグラフ

早期肺癌と気管支鏡—中心型早期肺癌発見のために

雨宮 隆太 , 早田 義博 , 雨宮 裕子

pp.962-964

 早期肺癌の外科療法後の5年生存率は扁平上皮癌100%,腺癌70%であり,早期肺癌の発見の重要性を物語っている.近年,喀痰細胞診による集検が行われ,多数発見される"chest x-ray negative, sputum cytology positive"と言われる症例では,細胞診で肺癌と診断された後,気管支鏡検査により腫瘍の局在が決定される.また,喀痰細胞診を行い,腫瘍細胞を認めなかった血痰のある喫煙者に気管支鏡検査で早期肺癌を発見した例もある.気管支ファイバースコープでは亜々区域支(IV次気管支)までの範囲内に原発した早期癌を内視鏡的に観察可能である.ここでは気管支鏡で観察される早期肺癌の像と所見解析法を説明する.

技術解説

レーザー内視鏡

早田 義博 , 加藤 治文 , 小野 寿太郎 , 大多和 正樹

pp.965-972

 現在癌の治療に用いられているレーザーとしては,CO2レーザー,Nd-YAGレーザー,アルゴンレーザー,アルゴン—ダイレーザーがある.前三者は高出力による熱エネルギー照射で腫瘍を焼灼昇華せしめる.後者のアルゴン—ダイレーザーはこのもののみでは殺細胞効果はないが,腫瘍親和性光化学物質の特性を利用して,腫瘍を壊死に陥らしめる光照射である.

 熱エネルギー照射としてCO2レーザーは波長が短いこと,熱反応の深達度が浅いことからNd-YAGレーザーより優れているが,この光線はクウォーツファイバーに吸収されるため可橈性のあるクウォーツファイバーで誘導できない欠点があるので可橈性のある内視鏡には応用できず,肉眼で可視範囲の腫瘍が対象となる.したがって,内視鏡的に応用しうるレーザーはNd-YAGレーザーとアルゴンレーザー,アルゴン—ダィレーザーである.この中でアルゴンレーザーは出力の点よりして腫瘍の治療よりも止血および皮膚科疾患の治療に応用される.われわれは気管,気管支の病変に対してNd-YAGレーザー治療を,肺癌その他の癌にアルゴン—ダイレーザーによる光照射を行っているが,前者は良性の病変にも焼灼は可能であるが,後者は悪性病変のみが対象となる.

レーザー顕微鏡

加藤 大典

pp.973-976

 最近開発されたレーザー顕微鏡では,励起光源として単色性が良く輝度の高いレーザー光を使用しているので,H・E染色標本などで鮮明な発光像を観察することができる.また,レーザー光には有害な不要スペクトルが混入しないので,標本の退色もほとんどない.レーザー顕微鏡と通常の光顕像とを併用すると診断情報が増大する.

 レーザー顕微鏡の応用例として,網膜芽細胞腫のアルゴンレーザー光とヘマトポルフィリンデリバティブ(HpD)による光化学治療に伴う組織変化の診断で治療効果の確認を行えた.

レーザー・Doppler血流計測

梶谷 文彦 , 三戸 惠一郎 , 小笠原 康夫 , 平松 修 , 辻岡 克彦 , 友永 轟

pp.977-984

 一般に電磁波や音波などの波の振動源と観測点が相対運動を行っているとき,観測される波の周波数は元の振動源のそれとは異なったものとなる.この現象は"Doppler効果"として広く知られているものである.レーザー・Doppler流速計(Laser Doppler Velocimeter;LDV)も,原理的にこのDoppler効果を利用したもので,測定対象にレーザー光を照射し,それから散乱された散乱光のDoppler周波数から対象物の速度を求めるものである.歴史的にみると,光のDoppler効果は,恒星が発する光の赤方偏位などで知られていたが,流速計としての応用は従来の光源からは周波数および位相がそろった光が得られなかったため,アイディアの域を脱することができなかった.

 しかし,1960年MaimanやJavanらによってレーザーが開発されたことから,その可能性が開かれた.レーザー光の特徴は,鋭い指向性を持ち,単一周波数であることである.このため光のDoppler信号を得ることが可能となり,1964年Yeh, Cummins1)らによってLDVが初めて開発された.

レーザーのフローサイトフルオロメトリーへの応用

伊藤 喜久

pp.985-991

 臨床医学における種々の細胞の形態検査は,これまで主に顕微鏡による形態学的特徴や染色パターンなどの観察により,分類および計数がなされてきた.しかし,この方法では,個人差,言い換えれば測定者による判定基準の相違が不可避であり,またカウント数にもおのずと限界があるために,再現性・客観性に問題が残されている.さらに,サンプル調製の過程で目的細胞の分離を必要とする場合もあり,その純度や特定細胞群の脱落によるデータのバラツキ,あるいは調整細胞の不足を招来する可能性があった.これらの問題を解決するものとして,フローサイトメトリーシステムが考案された.

 分析装置であるフローサイトメトリーの主要部分は,一列で等速度の細胞流を形成するフローシステムと細胞からの信号を検知するシステムとにより構成されている.代表的な信号検知法には,電気抵抗法(Coulter方式)と光学的方法がある.Coulter方式は,電界中を通過する細胞によって発生する電気抵抗の変化量で細胞の大きさを測定して,細胞を計数するものであり,多くの血球計数器で採用されている.一方,光学的方法は,細胞に光を照射することによって得られる散乱光や蛍光を測定して,細胞を分類し計数する原理に基づくものである.この方法は,複数の変量を同時に測定できるという利点を持ち,汎用の細胞分析装置(細胞解析装置,細胞分類装置)で採用されている.

総説

レーザーの基礎知識と医学計測への応用

西坂 剛 , 米川 元樹 , 七沢 洋

pp.993-1002

はじめに

 最近まで,レーザーの医学応用のトピックスは,レーザーメス,レーザーコアグレーターなど手術法や治療に関するものが大部分であり,検査や診断に対してはややもするとあまり関心を呼ばなかったようである.約6年前の本誌1)において述べたように,治療の目的でレーザーを使用することは,レーザーを単に高エネルギー源として用いているにすぎず,可干渉性,単色性などレーザーの持つ最大の特徴であるコヒーレントな性質を利用しているものではなかった.

 後述するように,レーザーのコヒーレント特性は医学における検査のみならず,自然科学,理工学,産業界で,非接触的,非破壊的計測法として広く応用されており,ますます重要性を増している.

主題を語る

レーザーネフェロメトリーによる蛋白定量

松橋 直 , 山岸 安子

pp.1004-1012

 ネフェロメトリーはレーザーが導入されてより高精度の測定手法となった.その基本にある光散乱の原理からレーザーネフェロメトリーを見つめ直し,なぜレーザーが用いられるのかを皮切りに,抗原—抗体反応を分子的に考察し,さらにそれらを踏まえた,レーザーネフェロメトリー実施時の具体的な注意点から従来法との併用の意味,将来の展望まで語っていただいた.

検査と疾患—その動きと考え方・81

早期胃癌—レーザーによる癌の診断と治療

崎田 隆夫 , 福富 久之 , 川北 勲 , 中原 朗

pp.1013-1018

はじめに

 レーザー光は単一波長で位相もそろっており,単色性,可干渉性,高輝度性などの面で自然光にはない優れた性質を有している.これらの特性を利用して,医学の各分野に応用されつつある.

 近年,胃癌,肺癌,肝癌などの診断と治療に対してレーザー内視鏡が注目を浴び,各施設で研究が進められ,一部の治療に関しては臨床面で使用されているが,癌の診断への応用はまだ基礎的研究の成果をまたねばならない.

学会印象記

第24回臨床ウイルス談話会

杉下 知子

pp.1003

日本臨床ウイルス学会への発展

 第24回臨床ウイルス談話会は,東京大学医学部教授平山宗宏会長の下に6月23,24両日,東京・新橋ヤクルトホールで開催された.この臨床ウイルス談話会は,ポリオの大流行があり,わが国でもウイルス分離ができるようになった1960年に,現東北大学学長の石田名香雄教授を中心に東北地方の大学,衛生研究所のウイルス担当者が地酒を持ち寄り,テーブルを囲んでウイルス疾患の基礎と臨床について話し合うという形で発足した.現在,会員数は約800人で,今回の参加者数約400人という盛会であった.なお,ここ数年来の懸案であった,学会名の「日本臨床ウイルス学会」への変更が採択された.

 本会は,その時々の臨床ウイルス学に関する話題についてのシンポジウムあるいは自由な討議の形式で進められている.今回は三つのシンポジウムと二つの特別講演が組まれ,内容は次のようなものであった.

分離分析の技術Ⅱ・9

ConAセファロースアフィニティークロマトグラフィー—ALPアイソザイムを中心に

菰田 二一 , 小山 岩雄

pp.1022-1032

はじめに

 アフィニティークロマトグラフィーとは,1968年,酵素学者として高名なAnfinsenの弟子であるCuatrecasasら1)によって名づけられたクロマトグラフ法の一手段である.この方法は,生体物質のもっとも特徴的な性質である特異的相互作用を利用した親和性吸着クロマトグラフ法と言える.話を早く進めるために,酵素の精製に限って言えば,目的の酵素と特異的,かつ可逆的に結合する物質,例えば酵素の基質,補酵素およびその類似体,特異的酵素阻害剤,アロステリックエフェクター,酵素の抗体などを高分子支持体(セファロース,セファデックス,バイオゲル,ウルトロゲルなど)に固定したものを吸着体として用いる.このため,本法はきわめて効率の高い精製法(10〜50倍の精製度)となりうる.しかし,十分性質のわかっていない酵素へ応用する場合,有効な吸着体を得るまでにはかなりの試行錯誤を覚悟しなければなるまい.また,特異的な吸着クロマトグラフィーとはいえ,ホモジネートをいきなり添加したのでは十分な能力を発揮しにくいし,貴重な吸着体を不必要に汚損するから,硫安分画や従来のクロマトグラフィーとうまく組み合わせて利用するのが得策である.

基礎科学からの提言・3

真に科学を知る医師を

八巻 敏雄

pp.1034-1042

はじめに

 「医療,医学に対しての基礎科学者からの提言」という旨の原稿依頼を受けて,そんな大それたことをと一時は思ったのですが,平常考えることもあってお引き受けすることにしました.それは私が東京大学教養学部基礎科学科に教師として籍を置いていたときに,理・農・薬学部の併任教官・講師を勤めた経験と,停年後の2年間を工学部工業化学科で研究を続ける幸福に恵まれたこと,そして産業医科大学に来て多くの医学関係の方々と親しく接する機会を得たこと,さらに医師である身内の一人が白血病で入院治療していていろいろと考えさせられる場面に接しているからです.

 生物学を学んできた私のつねづね考えることは,生物にはいろいろな種がありそれぞれが独自の生きかたをしているとともに,生きているということですべてが共通した面を持っているということです.すなわち細菌・カビのような微細な生物も,イネ・サクラ・マツといった植物も,カイコ・ニワトリ・ネズミといった動物も,そして哺乳動物霊長類であるヒトも例外ではなく,それぞれの体を造る細胞が生きており,増殖するという面など共通した生物現象を営んでいるということです.

研究

Micrococcus lysodeikticusを用いた好中球貪食能検査法

永田 隆己 , 浜上 公江 , 伊勢村 卓司 , 島田 信男

pp.1045-1048

はじめに

 血液細胞の貪食能の測定には,墨粒法1,2),ラテックス粒子法3,4)が一般的であり,他に油滴法5),菌数計数法6,7),アイソトープ標識法8),イースト法9),デンプン法10)などが考案されている.しかし迅速性,簡便性にはそれぞれ問題が残されているのが現状である.

 今回私どもは,被貪食物の種類,およびその希釈液について比較検討し,被貪食物にMicrococcus lysode-kticus乾燥死菌,希釈液に6w/v%ヒドロキシエチルスターチ加生食水を用いた方法が手技の簡便性,迅速性,再現性において優れているという成績を得,本法における測定諸条件および正常値についても検討を行ったので報告する.

ホルモン産生内分泌細胞の免疫組織化学—ABC法とPAP法の比較検討

鬼頭 花枝 , 細田 峻

pp.1049-1052

はじめに

 糖蛋白ホルモンおよびペプチドホルモンの免疫組織化学的証明法は,蛍光抗体法(immunofluorescence method, Coonsら,1958)1)に始まり,酵素抗体法(im-munoperoxidase method, Nakaneら,1966)2)からPAP法(peroxidase antiperoxidase method, Massonら,1969;Sternbergerら,1969)3)に発展し,通常のホルマリン・固定パラフィン切片にも適用可能となった.最近,標識アビジン—ビオチン酵素抗体法(biotin-labeled antibody and enzyme-labeled avidin tech-nique, Guesdonら,1879)4)が開発され,その改良法としてABC法(avidin-biotin peroxidase complex method, Hsuら,1981)5)が考案されており,本法は今後,細胞内ホルモン,レセプター酵素などの証明法として広範囲の応用が期待される.

 Vector社のABC法は,ホルマリン固定・パラフィン包埋組織切片用に開発され,アビジンは分子量68,000の糖蛋白質で,低分子のビタミンH (分子量244.3)であるビオチンに対する親和性が高く,ビオチンに対して4結合部位を持つ.

免疫組織学的グリア染色と従来の染色との比較検討

安藤 怜子 , 菊地 悦子 , 江口 弘美 , 大吉 敏夫 , 鈴木 香子 , 武下 芳江 , 平山 和子 , 森松 義雄 , 長嶋 和郎

pp.1053-1058

緒言

 神経病理学の中でグリア細胞の染色法としては従来Cajal染色,Holzer染色およびPTAH染色などが主として利用されてきている.いずれの方法もそれぞれ熟練を必要とし,かつグリアの特異性が必ずしも高いとは言えない.

 近年,免疫反応を組織切片上で行い,例えばウイルスなどの特異抗原を判定するという方法が,蛍光抗体法として発展してきた.さらに,ここ数年来ウイルスのみならず多くの蛋白や酵素を免疫反応を利用し組織切片上で観察できるようになり,かつベンチジンを用いたペルオキシダーゼ発色法の導入により光学顕微鏡にて観察しうるようになってきている.

資料

エンザイムイムノアッセイ法によるHBs抗体の検討

岩崎 均 , 横浜 隆三 , 大脇 徳恵 , 石井 秀子

pp.1059-1063

はじめに

 B型肝炎ウイルス(以下HBV)の関連抗原・抗体の一種であるHBs抗体は,HBVに対する感染防御抗体と考えられており,その存在はHBVの既往を示している1).HBs抗体はHBV一過性感染では,感染後通常1〜8か月で血中に出現するが,一方持続性感染では,HBs抗原が血中から消失した後もHBs抗体の血中への出現は数%しかないと言われている2,3).一般にHBs抗体が血中に証明される場合,HBe抗体およびHBc抗体と共存する例が多く,HBs抗原およびHBe抗原と共存する例はほとんどない.しかし,サブタイプの違いによるHBs抗原との共存例は報告されている4,5)

 現在,一般にHBs抗体の測定は,HBV感染後の予後の判断,HBV感染の既往の判定,non A non B型肝炎の推定,さらに近年開発が進められているHBs抗原によるワクチン接種後の免疫能の判定などに利用されている.

ラテックス近赤外比濁法(LPIA)によるCRPの微量定量に関する研究—第1報 基礎的検討

山岸 安子 , 臼井 由美子 , 清水 和子 , 成田 靖 , 岩田 弘 , 河合 忠

pp.1064-1068

緒言

 炎症および組織崩壊に伴って血中に早期に著しく増加すると言われているCRP (C-reactive protein)1)の測定法は,原理的に大きく二群に分けられる.一つは肺炎球菌から抽出されたC—ポリサッカライド2)またはその反応基であるホスホリコリンとの特異的反応を応用した沈降反応やレシチン—コレステロール絮状反応3)など,もう一つは抗CRPとの特異的抗原—抗体反応を応用した毛細管法,一元放射免疫拡散(SRID)法やスクリーニング法としてラテックス凝集反応などが一般に用いられている.しかし,これらの方法はいずれも定性ないし半定量法であり,最近レーザーネフェロメーターの普及により,またCRPの分離精製技術が進められCRPの標準物質が手軽に手に入るようになってきたため,CRPの定量化が検討されつつある.被検血清中のCRPと抗CRP血清による溶液内抗原—抗体複合物を測定するレーザーネフェロメトリーや光電比色計による比濁法などは測定上の2,3の問題点8〜11)が指摘されており,また測定感度に限界があり,0.1mg/dl以下を測定することは不可能と思われる.

 本稿では,ラテックス近赤外比濁計14)によるCRPの微量定量について検討し,50ng/ml程度まで測定可能となったので,測定法の基礎的検討成績を中心に報告する.

質疑応答

臨床化学 ICG測定に向く精度管理法

塚田 敏彦 , T生

pp.1069-1071

 〔問〕 インドシアニングリーン(ICG)測定にICGメーター(ヱルマ光学)を利用していますが,測定結果に自信がなく,毎日不安を感じています.それは,測定結果の正確度や精度をチェックする管理血清がないこと,また,検体を再検するとしても,ICG自体が経時変化を生じることや機器構造がフローセルのため多量の血清が必要であることなどがその理由です.しかし,毎日標準液を作製するのは時間的に無理ですし,何か良い精度管理法がありましたらお教えください.

臨床化学 検体の保存状態は蛍光法にどう影響するか

八木 國夫 , A生

pp.1071-1072

 〔問〕 過酸化脂質を蛍光法(八木法)で測定しています.採血直後および同一検体を5時間以上4℃に保存した場合,両者の血清で後者が前者よりも有意に低値を示しますが,これはなぜでしょうか.また,この低下を検体の採血法,保存法により防止できる方法があればお教えください.このような現象がほかに報告があるかどうか,また,プロスタグランディンエンドパーオキサイドは上記測定法に影響を及ぼすかどうかについてもお教えください.

血液 プロスタサイクリンの測定法

高田 雅史 , 小林 紀夫 , 前川 正 , D生

pp.1072-1073

 〔問〕強力な血小板凝集抑制作用を持つプロスタサイクリンの測定法は,どのように進めればよいのでしょうか.

輸血 膠状になった供血者血漿

川越 裕也 , Y子

pp.1073-1074

 〔問〕 交差試験の食塩水法で主試験は適合でしたが,副試験で受血者(B型,Rh+)の3%血球液を加えたところ,供血者血漿(血液センター製品)五つのうち一つが膠状になりました.これは,どういう機序によるものでしょうか.また,この血液は輸血しても差し支えないでしょうか.

輸血 新生児における交差試験

藤原 弘一 , J子

pp.1074-1077

 〔問〕 抗体が十分に産生されていない新生児ではどのような検査法が適切でしょうか.ウラ試験は行う必要がありますか.また,きわめて緊急を要する場合,最低どこまでの検査を実施すべきでしょうか.以上につきご教示ください.

微生物 Döderlein桿菌と膣清浄度

石束 嘉男 , N子

pp.1077-1078

 〔間〕 Gram染色が陽性,大きい桿菌というだけでDöderlein桿菌(D菌)と決められますか.大きさの判断は主観的になりがちですが,基準があるのでしょうか.またD菌も他の細菌もほとんどみられない場合,膣清浄度の判定はどうすればよいのかお教えください.そして,D菌にはどういう意義があり,何に分類されるのでしょうか.

臨床生理 恒常状態法と息こらえ法

遠藤 和彦 , R子

pp.1078-1079

 〔問〕 CO拡散能力(DLco)測定法として恒常状態法と息こらえ法とがありますが,それぞれの方法の得失を教えてください.

一般検査 尿の浸透圧と比重

北岡 建樹 , K子

pp.1079-1080

 〔問〕 尿浸透圧の測定が,腎濃縮機能の判定に比重測定よりも重視される理由をお教えください.

一般検査 顕微鏡下で見えにくい上皮類の判定

伊藤 機一 , 木庭 敏和 , M子

pp.1080-1082

 〔問〕尿沈渣の報告で,膿尿,血尿,混濁尿などでは血球,塩類,また細菌が多数見られるために実際には出現しているであろう上皮類について顕微鏡下で見えにくいので,「上皮類判定不可」との結果を出すことがあります.これでよろしいでしょうか.あるいは原尿を鏡検するなり,希釈尿の沈渣を調べて,もっと別の表現をするほうが良いでしょうか.

診断学 心磁図の将来性

小谷 誠 , Y生

pp.1082

 〔問〕心磁図の開発が進んでいますが,臨床検査としての将来性についてお教えください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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