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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査28巻4号

1984年04月発行

雑誌目次

今月の主題 呼吸と循環(生理検査)

カラーグラフ

RI心プールスキャン

桂川 茂彦 , 高橋 恒男

pp.370-372

 近年,RI心プールスキャンは放射性医薬品の開発と核医学処理システムの進歩とあいまって,かなりの発展を示し,画像診断および心機能指標,すなわち心拍出量,両心室の駆出分画などの算出が精度良く行えるようになり,循環器領域で非侵襲的検査として重用されるようになってきた.本法は第一回循環時法と平衡時法とに大別され,いずれも心拍同期によって一心周期の連続画像が得られる.この方法の利点は再現性や観血的方法により得られた値と良い相関がある点で優れているといえよう.さらにコンピューターを利用した心機能図は有用で,とくにFourier解析を適用した位相解析法により局所壁運動異常や刺激伝導系異常を客観的に評価する試みが臨床応用され,大きな成果を上げてきている.

技術解説

RI心プールスキャンによる右心機能の評価

桂川 茂彦 , 高橋 恒男

pp.373-379

 近年,右心機能の本質が徐々に明らかとなるに従い,各種心疾患および肺疾患などにおける右心機能に関心が集まってきているが,基本的な計測である右室容量の算出は,その解剖学的特異性のために,これまで困難とされてきた.しかし,99mTc標識ヒト血清アルブミンあるいは99mTc標識赤血球をRIトレーサーとして用いた心プールスキャン法は,プール血液量に比例したカウント数が得られるため,複雑な形態を有した右室容量の算出には有効な手段となる.

 ここではRI心プールスキャン法を右心機能の評価に適用する場合の基本的装置,心プール用放射性医薬品,データ収集の実際およびコンピューターを利用した右室駆出分画の算出法を述べ,さらに刺激伝導系異常の客観的評価に多大な成果をあげている位相解析法を解説し,最後にこれらを適用した臨床例を紹介する.

新生児の心臓超音波検査

藤原 直 , 小林 清亮 , 高橋 文行 , 宮口 英樹 , 柴田 隆

pp.380-386

 近年心エコー法は非観血的検査法として急速な進歩をとげている.すなわち,超音波心断層法(Two-dimensional echocardiography:2DE)は心内構造を知るうえできわめて有用な情報を提供しうるし,Mモード心エコー図は種々の心機能の指標を測定可能にする.またコントラストエコー法,パルスドップラー法を併用することにより心内血行動態を把握することができるようになった.心児科領域においても先天性心疾患のより正確な診断をするうえで必要不可欠なものとなっている.とりわけ新生児期に発症する高度の低酸素血症や心不全は先天性心疾患のみがその原因になるとは限らず,代謝異常,中枢神経系異常,呼吸器疾患や胎児循環持続症などでも生じうるわけでこれらの鑑別診断上,また早期診断早期治療上心エコー図は有用な情報を提供する重要な検査法の一つである.

 本稿では,新生児の心エコー図記録の実際(機器,記録方法,診断方法)を中心に解説し,さらに胎児循環から新生児循環への移行,その後の新生児期の発育過程における血行動態上の変化と心機能指標上の変化について述べ,最後に新生児期の正常な循環動態の適応障害と考えられる胎児循環持続症の心エコー図所見について述べることにするので,いわゆる先天性心疾患の心エコー図の詳細については他誌を参照されたい.

Sleep apnea syndromeとポリグラフイ

野沢 胤美

pp.387-396

 Burwellら(1956)により肥満に伴い日中過眠,周期性呼吸と心肺系の異常を呈した症例をPickwick症候群として報告されて以来,その病態究明がなされてきた.1970年代に入り周期性呼吸は肥満以外にもみられること,また日中過眠以外に種々の臨床症状を呈することより睡眠時無呼吸症候群sleep apnea syndromeの概念が確立した.睡眠時無呼吸はポリグラフィ的に閉塞型,中枢型,混合型に分類される.

 その臨床症状は,閉塞型では著明な鼾,日中過眠以外に心—血管系に重篤な合併症をもたらすこともあり早期発見,治療が必要であり,重篤な症例に対しては気管切開が行われる.中枢型無呼吸は不眠症の原因となる.診断には終夜脳波ポリグラフ検査が必要である.検査項目には脳波,心電図,眠球運動以外にthermistor,strain gaugeの使用による呼吸曲線,呼吸運動の記録が必要である.その他SaO2,呼気ガス分析などが行われる.

X線および超音波による左心室像の画像処理と心機能計測

桑原 道義

pp.397-401

近年成人病としての心臓病が増加して,心臓病による死亡数もガン,脳卒中に次いで多くなっており,一般に心筋梗塞,狭心症,心不全などの病名で呼ばれているものがこれにあたる.それとともに心臓のよしあしを示す心機能の計測方法も次々と改良されたり,新しい方法が開発されたりしてきているが,これらの方法によって得られた計測データは,従来はその大部分が医師によって,目で視たり,手を使って計測したりして処理し,診断に役だてられてきたものが,最近ではこのような目的のためコンピューターが導入されてきており,その結果,自動的あるいは半自動的に計測データが処理されて臨床診断に用いられたり,コンピューターを使って初めて計測,データ処理が可能になる問題も出てきている.このような問題の中に画像処理も含められる.すなわちX線が人体の内部構造を二次元画像として表示できるようにして以来,いろいろな装置が開発されて各種の臓器の画像が臨床診断のために提供されてきた.これらの画像からの診断情報の抽出は,従来はもっぱら医師の経験によるパターン認識能力に依存したが,この10年程の間にこのような医用画像のパターン認識や特徴抽出がコンピューターを用いて行われるようになってきた.1〜7)

総説

気管支—肺胞洗浄液検査

安岡 劭 , 島田 久夫

pp.403-411

気管支—肺胞洗浄法が臨床診断法として発達した背景

 ヒトで生理的メディウムを用いて気道—肺胞系を洗浄する場合に,ファイバー気管支鏡やメトラのカテーテルの尖端を区域気管支あるいは亜区域気管支に正確に楔入(wedge)し,この液を注入,吸引回収すると,これより末梢の気管支—肺胞領域の諸成分が採取されてくる.この意味で,この洗浄法を気管支—肺胞洗浄法(broncho-alveolar lavage:BAL),その洗浄液を気管支—肺胞洗浄液(broncho-alveolar Iavage fluid,以下BALF)と呼ぶ1).BALFには,厳密には気管支領域の成分と肺胞領域の成分が含まれているが,領域の広さの関係から後者が圧倒的に多い.なお,気道—肺胞系の洗浄法としては,上述の(亜)区域BALの他に,主に気管支領域を洗浄する気管支洗浄法2,3)や,一側肺あるいは一肺葉を洗浄する肺洗浄法,などがある.またbronchial lavage (washing)やpul-monary lavage (washing)をBALと同義語として使う人もある.

 BALは呼吸器疾患の診断と治療のために実施される.Ramirez-R4)が肺胞蛋白症の治療のために一側肺洗浄を実施したのが,いわゆる肺洗浄の臨床応用の最初である.しかし,今日注目されているのは,主にびまん性間質性肺疾患や肺気腫のような肺胞系の疾患の診断法や病態の解析法としてのBALである.

主題を語る

麻酔と呼吸機能検査

天羽 敬祐 , 太田 保世

pp.412-421

 意識のある患者とはまったく違う,麻酔のかかっている患者から呼吸機能を測定するときの方法論,測定項目をはじめ,測定機器の持つ問題点や,測定値の解析・臨床的意義をめぐり,将来の展望まで語っていただいた.

検査と疾患—その動きと考え方・88

急性心筋梗塞における冠状動脈血栓溶解療法

延吉 正清

pp.422-427

 近年,心筋梗塞発症まもない時期に,血栓溶解剤であるstreptokinaseやurokinaseを用いて閉塞冠動脈の血栓を溶解し,心筋梗塞巣を縮小しようとする治療が,欧米のみならず本邦でも広く普及している.今回は,血栓溶解療法(thrombolytic therapy)を含むPercutaneous Transluminal Coronary Recanalization;PTCRにつき,筆者の経験を中心に解説したいと思う.

 本邦では,PTCRと血栓溶解療法とを,ほぼ同じ意味に用いているようであるが,少しニュアンスが違う.PTCRは急性心筋梗塞発症初期に内科的方法にて閉塞冠動脈の再疎通を行う方法全般を指し,その大部分がurokinaseまたは,strepto-kinaseによる血栓溶解療法であるが,その他nitroglycerinまたはisosorbide dinitrateによる方法,guide wireを用いる方法や血栓溶解療法後に冠動脈形成術:PTCAを行う方法も入り,これらすべてを含めたものをPTCRという.しかしながら,本邦では,急性心筋梗塞症患者の閉塞冠動脈内にurokinaseを注入し,血栓を溶解する方法をPTCRと呼んでいると思われる.

講座・リンパ球の検査・4

感作担体による細胞表面免疫グロブリンの検査法

榎本 博光 , 河合 忠

pp.430-436

はじめに

 ヒトB細胞はその表面に種々のマーカーすなわち免疫グロブリン,補体レセプターおよび免疫グロブリンのFc部分に対するレセプター(Fcレセプター)などを有する.このうち膜表面に存在する免疫グロブリン(SmIg)がもっとも信頼できるB細胞のマーカーであることから,SmIgの検出は特異性の優れたB細胞の検定法として従来より種々の方法が開発されてきた.FITC標識抗ヒト免疫グロブリン抗体(FITC—抗Ig)を用いてSmIgを検出する蛍光抗体法は比較的良質のFITC標識抗体も市販され一般的に広く用いられてきた方法である.しかしながら高価な蛍光顕微鏡を必要とし,それによる判定は客観性に欠けかなり熟練を要すること,非特異蛍光の問題など標準化が困難で日常検査としては問題となるところである.

 1970年,Coombs1)らにより感作ヒツジ赤血球を用いてウサギのSmIgをロゼット法により検出しうることが報告されて以来,感作担体によるSmIgの検出法が数多く開発されてきた.これらの方法はいずれも操作と判定が容易で特異性に優れて,蛍光抗体法で問題となる抗体のFc部分による非特異反応もほとんど関与せず判定もより客観的である.さらに検出法としてのみならずB細胞の分離・精製法としても応用することが可能である.

基礎科学からの提言・10

生体中の微量元素の定量の必要性

村上 悠紀雄

pp.438-443

人と地球環境

 最近はある一時期にくらべて種々の金属元素が紙上を賑わすことが少なくなってきた.公害騒ぎがひととおりおさまってきたからかもしれない.したがって戦後あれほどありがたがられたミネラルも,話題にならなくなってきたから不思議でならない.同類だからふれないというわけである.しかしミネラルがなくては生きられず,そんなこととは無関係に,日常の食事をおいしくたべていろいろな元素を取り入れて,健全な生命サイクルを営なみつづけている.

 もともと人間が地上に住んでいるかぎり,地球環境の元素に無関係で生きているわけにはいかないのである.たまたまカドミウムやクロムが異常に多く,公害騒ぎになっただけのことである.

資料

抗酸菌同定キットの臨床検査室における評価

正井 秀雄 , 柴田 正弘 , 松田 啓子 , 奥住 捷子 , 岩本 幸子 , 斎藤 千別 , 紺野 新吉 , 竹内 稔 , 伴 景子 , 高橋 久美子 , 斎藤 洋重 , 江波戸 欽弥 , 村瀬 修 , 遠藤 富子 , 牧野 和子 , 高林 賢三 , 北芝 稔司 , 東本 順三 , 前田 晴夫 , 大垣 圭子 , 平生 三郎 , 原口 南進 , 林原 正 , 金山 律子 , 狩野 京子 , 篠田 厚 , 石橋凡雄 , 井村 好文 , 久世 文幸 , 斎藤 肇

pp.445-448

はじめに

 抗酸菌の多種化にともないその同定用キットの開発の要望がしだいに高くなり,この目的に沿って最近斎藤ら1)は一応の細菌検査施設を有する検査室で,誰でもが容易に行いうる簡便な抗酸菌同定キットを開発した.

 今回われわれは全国的規模における21病院の検査室に,抗酸菌同定キット"小林"1)ならびに代表的抗酸菌種数株の種名をふせて送付し,それら抗酸菌の同定一致率および本キット使用上の問題点などについて検討した結果,本キットの有用性を確認したので以下報告する.

検査室で迷走神経性不整脈を認識するコツ

池田 裕

pp.449-451

リカンベント・アリスミア(臥位性不整脈)は迷走神経性不整脈である

 心臓調律は,主に,促進的な交感神経と抑制的な迷走神経からなる神経因子によって制御されており,運動や体位変換に際しては,これに即応して血圧を維持して酸素需要を満たすための反射,つまり頸動脈洞や大動脈弓の圧受容体からの心臓血管反射が生じる.ために,臥位から立位になると,下肢に血液の停滞が生じて静脈還流が減少し,頸動脈洞圧が低下して圧受容体からの反射が生じて交感神経系の活動性がたかめられる.そして,心拍数増加と拡張期圧の上昇が生じ1),心電図上にPQ間隔の短縮がみられる2)

 ところで,心電図は心臓迷走神経の活動が優位となる臥位で記録されているが,臥位で認めた不整脈のうち,立位に体位を変えると洞性整調律に変化するものがある.これを著者はリカンベント・アリスミア(臥位性不整脈)と呼称した3).この臥位に限って出現する不整脈は,心臓迷走神経活動がたかまる深呼気相で不整が増し,迷走神経活動が抑制される深吸気相で不整が減じたり消失したりするし,運動負荷直後の臥位でも消えることが多い.また,迷走神経末梢でその伝達物質アセチルコリンを硫酸アトロピンで抑制すると,数時間にわたって不整が消失しているが,頸動脈を圧迫したり,薬剤によって迷走神経を刺激すると,この不整は増悪する.つまり,臥位性不整脈は迷走神経性不整脈であると考えてよい4)

レフロトロン®システムの使用経験

林 康之 , 上里 富子 , 大竹 順子

pp.453-458

はじめに

 臨床化学検査の自動化は多項目自動分析器の性能向上にともなって新たな診療上の問題を認めさせた.多項目同時処理による検査のシステム化は検体採取から成績の返却まで,完成されたシステムであるほど融通性に欠け緊急時の割り込みを認めない.したがって,一方では高性能機器を利用しながら他方では用手法,簡易法によりその欠陥を埋めることが中央検査部内の組織的な問題となっていた.そしてその緊急性,簡易さを,従来行ってきた測定法精度をそのまま維持した機器の開発が問題の解決につながるという考え方がいわゆるドライケミストリーの研究開発へと発展した.わが国でも富士フイルム社の多層フィルムを用いたものが開発され,Ames社のセラライザーについての使用報告は既に邦文だけでも10編をこえている.われわれは同様の目的をもって開発されたベーリンガーマンハイム社のレフロトロン®システムを試用する機会を得て,血色素定量のみであるが検討した成績を報告する.

 またあわせて本システムに関して得た情報をまとめて紹介する.ただ,本システムのもっとも特長とするところは他のシステムと異なり全血,血漿,血清いずれを問わず検体となしうる点で,反射光測光による定量システムであることに変わりはない.

各種疾患における血清フェリチン値測定の意義

白石 正孝 , 杉原 ゆう子 , 永原 慶子 , 板鼻 文子 , 名越 温古

pp.459-463

 Laufbergerによりウマ脾フェリチンが分離されて以来1)種々の臓器にフェリチンが存在することが報告された2).一方血清中にも微量のフェリチンが存在することが明らかにされ3)超微量定量法である2-site immunoradiometric assayが開発された4,5)

 血清フェリチンは体内貯蔵鉄量を反映すると言われ6),鉄欠乏や鉄過剰状態の指標に有用と考えられている7,8,9).肝疾患時には,障害された肝細胞からの血中へのフェリチン逸脱が報告され10,11),肝疾患の程度と血中フェリチンの上昇の関係が数多くの報告にみられる6,12,13),また,種々の悪性腫瘍においてはTumor markerとしての臨床的意義が注目されてきた14,15,16)

編集者への手紙

22%ウシアルブミン添加の血液像について

岡林 誠 , 川出 伊久子

pp.465

 血液塗抹標本で細胞の破壊や変形がある場合,正確な白血球分類を行うことができないときがあります.臨床検査,13,1603,1982に吉野二男先生が紹介されましたC.M.Densmoreの「血液塗抹標本での細胞の破壊を防ぐ方法」が,日常,白血球分類をするうえで非常に役だつ方法であると思われましたので報告します.

骨髄移植と臨床検査

田中 正 , 森 茂郎

pp.466-467

1.はじめに

 私どもの病院では最近骨髄移植が一つのメインプロジェクトとして行われている.これに伴い,従来それほど多くなかった特殊な検査項目や検査結果が増加してきた.これは血液,免疫検査をはじめ,検査部各セクションにみられ,またその多くは従来のルーチン業務の中で処理されうるものであったが,中には当研究所研究部に検索を依頼したもの,新しく外注した項目,また新しく手技を開発したものもあった.検査部ではこの新しい状況の中で,骨髄移植の実情を知り,どのように対処すべきかを考える会を持った.この勉強会には臨床および研究部の参加をいただき,骨髄移植症例の経過,検索データ,生・剖検結果の解析を行うことを通じて,骨髄移植と検査部とのかかわりを話し合った.本日この記録の中から,検査部各セクションと骨髄移植のかかわりについて,および努力すべき目標についての要点をご報告させていただく.現今,骨髄移植は多くの院所で広く行われ始めている.この課題を持っておられる方々の一つの資料としていただければ幸いである.

質疑応答

臨床化学 EIA導入時の検討事項

石川 榮治 , S生

pp.469-470

 〔問〕 現在RIAを行っているものを,将来EIAに代えたいのですが,どのような点に注意しなければならないでしょうか.検討事項,検討方法をご教示ください.また,EIAの問題点もお教えください.

血液 血小板中の顆粒に含有される成分

藏本 淳 , 木村 昭郎 , R生

pp.471-472

 〔問〕 ヒトおよび動物の血小板中の顆粒に含有される成分で,酵素など,臨床検査に関与する基質はどのようなものがあるのかお教えください.

輸血 Jk(a-b-)血球の2mol/l尿素液に対する抵抗性について

遠山 博 , 喜納 勝成

pp.472-474

 〔問〕Jk(a-b-)の血球を2mol/l尿素に浮遊させても溶血を起こさないとのことですが,それはなぜですか.また,どれくらいの時間,溶血しない状態が保たれるのですか.

免疫血清 自己免疫性溶血性貧血における抗体同定法

恒松 徳五郎 , 笠原 勝

pp.474-475

 〔問〕 自己免疫性溶血性貧血で,輸血の既往がある場合に間接Coombs試験が陽性であるとき,自己免疫抗体なのか同種免疫抗体なのかをみわけることができるのでしょうか.また,パネルセルで型特異性が同定されたとき,自己免疫性と言えるのでしょうか.本症のような場合の抗体同定法をお教えください.

臨床生理 血液ガス分析に及ぼすヘパリンの影響

牧野 幹男 , M生

pp.475-478

 〔問〕抗凝固剤として使用するヘパリンにアクトラピッドノボとレギュラーの二種類があります.これらは血液ガス分析測定時,どんな項目にどの程度の影響を及ぼすのでしょうか.また,電解質測定に対する影響はどうでしょうか.

臨床生理 結節間心房内伝導路は存在するのか

本田 正節 , I生

pp.478-479

 〔問〕 成書には,洞結節と房室結節との間の心房内の刺激伝導系として,結節間心房内伝導路(internodal atrial pathway)が存在するとしたものと存在しないとしたものとがあります.それぞれの根拠は何でしょうか,また現在のところ,生理学会ではどちらの説がとられているのでしょうか,お教えください.

一般検査 赤沈とCRPとの解離

磯貝 行秀 , 秋山 雅昭 , N生

pp.479-480

 〔問〕赤沈とCRPとの解離はなぜ起こるのでしょうか,お教えください.

一般検査 尿ビリルビンを陽性とする妨害物質

橋詰 享子 , S子

pp.480-482

 〔問〕 Hispeed Aution Analyzar HS−7で尿定性検査を行っていますが,尿本来の色や尿中のビリルビン以外の物質により尿ビリルビンが陽性と判定されてしまいます.この原因をお教えください.また,薬剤が原因とすればどのような薬剤が陽性と判定されるでしょうか.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

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64巻11号(2020年11月発行)

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64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

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60巻10号(2016年10月発行)

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59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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