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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻6号

1984年06月発行

文献概要

今月の主題 細胞膜 カラーグラフ

細胞膜の構造—光顕から電顕へ

著者: 高田邦昭1 伊藤正高2 川上速人1 西山文朗1 平野寛1

所属機関: 1杏林大学医学部解剖学教室 2杏林大学医学部第三内科学教室

ページ範囲:P.622 - P.624

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 細胞膜は細胞の外表面を覆う生体膜の一種である.厚さは約7〜9nmで,光学顕微鏡の分解能を超えているため,その構造の解明には電子顕微鏡による観察を待たねばならなかった.現在細胞膜における種々の現象をもっとも良く説明できるものとして,1972年S.J.SingerとG.L.Nicolsonにより提唱された細胞膜の「流動モザイクモデル」が一般に受け入れられている1).細胞膜外表面には細胞膜を構成する糖蛋白質や糖脂質の糖鎖が露出していて糖衣(glycocalyx)を形成している.小腸の吸収上皮の刷子縁がPAS染色やコロイド鉄染色で陽性に染まるのはこの糖衣の存在に由来している2).最近は特定の糖構造と特異的に結合するレクチンを用いて,細胞膜の糖鎖の検索が光顕ならびに電顕レベルで進められている3,4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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