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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻6号

1984年06月発行

文献概要

資料

新しい顆粒球由来エラスターゼ測定法に関する基礎的検討

著者: 櫻林郁之介1 飯村康夫1 石井周一13 本間寿美子2 河合忠1

所属機関: 1自治医科大学臨床病理学 2自治医科大学循環器内科 3中央鉄道病院内科

ページ範囲:P.725 - P.728

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はじめに
 顆粒球中に含まれるエラスターゼは中性プロテアーゼの一つで,炎症と密接な関係を有している.すなわち,炎症において顆粒球は細菌などの障害因子を貪食し,これを分解するとともに,ライソゾームを放出する.このライソゾームに含まれるエラスターゼなどのプロテアーゼにより組織の崩壊が生じ,炎症特有の組織破壊が起こると考えられている1,2).したがって,炎症組織や循環血液中の顆粒球中エラスターゼを定量的に測定することは,炎症の診断や経過の追跡に有効であると考えられる3).しかし,血漿中の顆粒球エラスターゼはα1-プロテアーゼインヒビター(α1-PI)と複合体を形成し4)酵素的には不活性な状態であるので体液中の顆粒球エラスターゼを測定することは困難であった.
 今回,われわれはこの顆粒球由来エラスターゼを免疫学的手法を用いて特異的に測定するキット(E.Merck社)を使用する機会を得,基礎的検討を加えたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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