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研究
塩基性フクシンの組成と染色性について
著者: 前田君子1 越前谷寿与1 沢瀬真紀子1 矢川寛一1 堀内三郎2 小野繁2 斉藤幸三3 阿部敬子4
所属機関: 1岩手医科大学病理学第一講座 2岩手医科大学生化学講座 3岩手医科大学病理学第二講座 4日製産業㈱SIセンター
ページ範囲:P.835 - P.840
文献購入ページに移動塩基性フクシンは,PAS染色をはじめ,膵島B細胞,下垂体好塩基性細胞,HBs抗原,弾性線維,酸ホスファターゼなどの酵素,抗酸菌の染色などに広く用いられ,日常染色には不可欠な色素である.
塩基性フクシン(以下,フクシンと略す)はトリアミノトリフェニルメタンを基本骨格とする化合物の総称であり,その成分は図1に示したように,アミノフェニル基へのメチル化の程度の異なるρ-ローズアニリン(メチル基:0),ローズアニリン(メチル基:1),マゼンタII (メチル基:2),ニューフクシン(メチル基:3)の四種の同族体から成る1).
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