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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻7号

1984年07月発行

文献概要

資料

モノクローナル抗体を用いたCEA測定法の基礎的ならびに臨床的検討

著者: 高吉悦子1 樋口かをる1 勝田弥三郎1

所属機関: 1国立病院九州がんセンター臨床検査部

ページ範囲:P.857 - P.862

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緒言
 癌胎児性抗原(以下CEA)は,1965年,Gold, Freed-manにより大腸癌組織より分離された糖蛋白である.当初,CEAは成人では内胚葉由来の消化器上皮に発生した癌組織のみに存在し,消化器癌に特異的な腫瘍抗原として報告された.しかし,1969年,Thomsonによりラジオイムノアッセイ法(RIA法)による定量法が開発され,微量のCEAの測定が可能となり,詳しい検索が行われるにつれて,CEAが消化器癌以外の各疾患で上昇するだけではなく,CEAおよびCEA類似の抗原が健常人の組織や血清,胃液,胆汁,尿,糞便,唾液などに存在することが報告されてきた.
 現在では,消化器系に限らず,多くの悪性疾患のスクリーニングや,転移・再発の診断,癌治療効果の判定などの経過観察に臨床的意義が認められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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