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文献概要
今月の主題 腫瘍マーカー 技術解説
BFP(塩基性フェトプロテイン)
著者: 石井勝1 神田裕三2
所属機関: 1埼玉県立がんセンター臨床検査部 2埼玉県立がんセンター内視鏡
ページ範囲:P.1025 - P.1032
文献購入ページに移動血中のBFP測定のために二抗体法によるラジオイムノアッセイと固相サンドイッチによる酵素免疫測定法とが開発された.本測定法により正常人,各種良性疾患および癌症例,計1,675例の血清BFPを測定した.正常人の血清BFP平均値は38.1ng/mlで,カットオフ値を80ng/mlに設定した場合,良性疾患の陽性率は19.7%で,肝炎,肝硬変症で30%以上の高い陽性率を示したが,これらの疾患を除く陽性率は12.9%であった.癌疾患の陽性率は44.2%で,特に原発性肝癌,胆道系癌,膵癌で60%以上の陽性率を示し,白血病,肺癌でも比較的高い陽性率を示した.BFP陽性率は癌の進行とともに増加する傾向は明白であった.
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