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今月の主題 腫瘍マーカー 検査と疾患—その動きと考え方・93
ホルモン産生腫瘍
著者: 中川光二1 久保光正1 秋川和聖1 松原三八夫1
所属機関: 1北海道大学第2内科
ページ範囲:P.1055 - P.1062
文献購入ページに移動ホルモン産生腫瘍においては,ホルモンまたはその関連物質が腫瘍マーカーとなる.これらは,本来生理的にそのホルモンを分泌する器官から分泌される場合(正所性ホルモン産生腫瘍)と,まったく無関係と思われる器官から分泌される場合(異所性ホルモン産生腫瘍)とがある(ただし,近来,一つのホルモンが微量ながら多数の器官から分泌されることが明らかにされ,この区別は必ずしも明らかではなくなってきている).
腫瘍マーカーとしての意義が大きいのは,他の方法で腫瘍が発見される前にそのホルモンの異常が見いだされた場合や,他の方法で腫瘍の存在は診断されたが,そのホルモンによって,腫瘍の母器官や組織学的性状が推測できる場合であり,特に悪性腫瘍の存在にかかわる場合である.正所性ホルモン産生腫瘍では,悪性腫瘍は比較的に少ないが,異所性ホルモン産生腫瘍では大部分を占めるので,腫瘍マーカーとしては,後者の場合が問題とされることが多いが,ホルモン産生腫瘍は,良性腫瘍も腫瘍マーカーを持つ特異な場合でもあるので,ここでは両者を併せて述べることとする.
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