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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査29巻1号

1985年01月発行

雑誌目次

今月の主題 アルコール

カラーグラフ

アルコール性肝障害

佐々木 憲一

pp.4-6

 アルコール飲料の長期多飲によって起こる肝の形態学的変化には,Mallory硝子体,好中球を伴う肝細胞壊死,脂肪変性,肝細胞のballooning,種々の線維化,小葉改築像などが挙げられるが,病変は基本的にアルコール性脂肪肝→肝線維症→肝硬変の経過で進展する.

 Mallory硝子体の出現・好中球浸潤を伴う肝細胞壊死は,アルコール性肝障害としてもっとも特徴的であり,アルコール性肝炎の形態学時表現としてまた肝線維症・肝硬変への進展に際し重要な要因とされている.しかし,このアルコール性肝炎像は,禁酒と安静によって比較的速やかに消失することが多く,生検では線維化・脂肪変性などの所見で,アルコール性肝障害と診断せざるをえないことが多い.

技術解説

アルコール性肝障害

佐々木 憲一 , 奥平 雅彦

pp.7-12

 肝炎ウイルス感染がきわめて高頻度に起こっているわが国では,従来より肝障害というとまず肝炎ウイルスによるものと考えるのが一般的であった.しかし高田1),武内ら2)が指摘しているように,近年日本人のアルコール消費量が急速に伸び,国民1人当たりの年間アルコール消費量が,ここ20年間で3倍以上に増加している.これに伴って,わが国でもアルコール性肝障害患者が増加し,肝生検例あるいは剖検例でアルコール性肝障害例をみる機会が多くなった.

 アルコール性肝障害の形態学的あるいは組織学的変化については,欧米の文献に多く記載されているが,わが国での肝の組織学的変化は,欧米のものに比較して軽いものが多く,アルコール多飲の病歴がありながら,アルコールに由来する肝障害と同定することが困難なことが少なくないと考える.

アルコールと神経系の検査

森 温理 , 増茂 尚志

pp.13-18

 飲酒後の神経系の検査法として,まずヒストグラムや自動分析機によるものを含めた脳波検査,ポリグラフィーによる夜間睡眠の検査について述べ,さらにアルコール酩酊度の客観的指標として,眼球運動に関する検査(視性眼振,光眼輪筋反射,眼球運動),平衡機能に関する検査(重心動揺計,円盤テスト),脈波,集中維持機能,Benton視覚記銘テストなどについてふれた.

 なお,アルコール禁断時の検査として,脳波および睡眠に関するもの,微小振動(microvibration:MV)などについても説明した.

血中および呼気中アルコール濃度測定

溝井 泰彦 , 福永 龍繁

pp.19-26

 血中アルコール濃度の測定は1922年Widmarkが拡散法を発表して以来,順次,蒸溜法,酵素法,ガスクロマトグラフ(GC)法などが報告されてきた.そのうち,もっとも特異性が高く正確に血中アルコール濃度を知ることのできる方法はGC法であり,密閉したバイアルに試料と内部標準とを入れ,加温後,平衡状態に達した気相の一部をGCに注入するhead space法が現在よく用いられている.

 呼気中アルコール濃度測定は,試料採取が簡単であり,医師でなくともできることから警察関係では世界各地で広く実施されており,独特な測定装置や簡単な検知管を用いる方法により測定されている.しかし,特異性,正確さの点からみるとGC法がもっとも優れている.研究の目的で正確な呼気中アルコール濃度を測定するには,終末呼気が確実に採集できる呼気バッグを用い,その一部をGCに注入する方法を用いるべきである.

薄層ポリアクリルアミド等電点電気泳動による異常α1-アンチトリプシンの検出—特にアルコール依存症にみられる異常アンチトリプシンについて

三宅 和彦 , 伊藤 善志通 , 鳥居 正男

pp.27-32

 薄層ポリアクリルアミド等電点電気泳動は再現性,分離能において優れ,多数の検体を同じ条件下で比較検討することが可能であり,臨床検査に適している,血清蛋白質分離後,特異抗血清を使用することにより,免疫固定プリント法によって容易に目的蛋白質の同定ができる.

 飲酒に伴い,血清糖蛋白質の一つであるα1-アンチトリプシンに質的変化――native α1-アンチトリプシンより等電点が高く,分子量が数千小さい――が惹起される.これは一過性変化であり,断酒により2〜3週間で消失する.異常α1-アンチトリプシンはアルコール依存症者で35%に検出され,対照の非アルコール性疾患では1例も認められなかった.異常α1-アンチトリプシンの生成は,アンチトリプシンの糖部分にシアル酸の不完全な付加が生じたためと推定され,過剰アルコール摂取に特異的変化であり,飲酒の程度を示す良い生化学的指標になるうるものと考えられる.

総説

酩酊

上野 佐 , 塚本 昭次郎

pp.33-39

酩酊作用

 人が飲酒をする主な目的は,酔いの快さを楽しむことである.

 胃,小腸上部粘膜から血中に入ったアルコールは,全身の臓器にすばやく広がる.脳にも当然移行する.脳には軽度の麻酔がかかり,症状として興奮が起こる.これを酩酊と言う.

主題を語る

アルコールと検査成績

降矢 震 , 藤沢 洌

pp.40-47

 アルコールは生体にとって異物であり,人体にさまざまの影響を与える.「百薬の長」たる酒は,そのアルコールの脳に対する麻酔作用を楽しむための飲料であるが,楽しみも度を過ごすと体に変調をきたす.肝臓はアルコールの代謝を一手に引き受けているが,その負担は大きく,大量・連続の飲酒に加えてバランスの悪い食事がアルコール性肝疾患を招来する.

検査と疾患—その動きと考え方・97

アルコール依存症

重田 洋介 , 高木 敏 , 永田 茂之 , 丸山 勝也

pp.49-54

はじめに

 WHOではAlcohol-related problems (アルコール関連障害)という名称を用いることになっており,漸次わが国でもこの方向に改められつつあるが,いわゆる「アルコール依存症」では,特に内科医が扱う場合は,アルコールが原因で種々の臓器障害を伴って診療所を受診してくる.

 約5年前の調査ではあるが,日本には15歳以上(法律一hの問題は別として)の飲酒人口は5,600万人あり(男性の85%,女性の54%),そのうち3.5%(約200万人)は日本酒換算で一日5合以上を摂取する大量飲酒者(問題飲酒者)であると言われている.ちなみに毎日なんらかの形で飲酒する(例えば晩酌)いわゆる"アルコール依存"のあるものは,現在約1,500万人いると考えられている.従来「アルコーリズム」はアルコールてんかん,振戦譫(せん)妄,アルコール痴呆などのアルコール精神病と,異常酩酊,それにアルコール依存症を包括するいわゆる"精神科医"のかかわるべき疾患群を意味していた.しかし,今やアルコールに関連した健康問題のうち,精神科固有の領域は一部にすぎなくなってきた.従来から問題にされることが多かった肝障害のみならず,消化性潰瘍,急性・慢性の膵炎,糖尿病,痛風,中枢・末梢の神経疾患,高血圧や心臓などの循環器疾患,大腿骨骨頭壊死や骨粗鬆症,各種の貧血など,ほとんど全身の臓器が問題とされるようになってきた.そして,これらを前述のごとく"アルコール関連疾患"と呼ぶようになり,これらが「病的な飲酒行動(アルコール依存症)」に結び付いて生じてくることを,臨床医は留意すべきである.著者らは精神科医の診断基準とは別に,簡単な"アルコール依存症"の診断基準を持っている.すなわち,

私のくふう

病理組織水洗器

後藤 博 , 中村 光男

pp.48

 病理組織標本作製における,ホルマリン固定後の水洗は,広口瓶に組織片を入れてガーゼで覆いをし,そこに水道水を流れ落ちるようにするのが一般的であり,日常行われている方法である.

 私たちは,入手の容易なポリエチレン製の試薬容器に小さな穴を開け,そこから水道水が流れ出るようにすると,組織固定後のホルマリンの溶出が早く,水洗時間がきわめて短縮されるなど,良好な結果を得たので,報告する.

シリーズ・先天性遺伝性疾患の診断に役だつ検査・1【新連載】

新生児スクリーニング

鈴木 恵美子 , 成瀬 浩

pp.55-61

はじめに

 心身障害を伴う先天代謝異常症の一部は,早期に治療を開始することにより有害な症状の発現を防ぐことが可能である.新生児スクリーニングとは,このような治療可能な先天性代謝異常の早期発見の方法であり,フェニルケトン尿症(以下PKU)の早期発見・早期治療のための手段として発達してきた.初めに尿による検査が行われたが,アメリカのR.Guthrieにより血液を濾紙に採取する方法が確立され,血液濾紙を用いてのマス・スクリーニングへと移行した.その後,引き続き血液濾紙を用いて,PKU以外のアミノ酸代謝異常症,ガラクトース血症,先天性甲状腺機能低下症などのスクリーニング法も発表された.こうして,PKUのみのスクリーニングから,何種類もの疾患の発見を目的としたマルチプル・スクリーニングへと発展していった.

 現在,わが国では全国的に,先天代謝異常五疾患と先天性甲状腺機能低下症のマルチプル・スクリーニングが実施されている(表1).今回は,そのスクリーニング方法についての実際的な操作法や注意点について説明したいと思う.

シリーズ・医用基礎工学入門・1【新連載】

基礎・1

金井 寛

pp.63-65

はじめに:本シリーズの目的

 近年工学的にきわめて高度な医用機器が開発され,臨床の場で広く使用されるようになり,いまやこれらの機器無しには近代医療は行えない状態になった.臨床検査においても,生理機能検査はもちろん,臨床化学検査の分野にも高度な医用機器が導入されている.これらの機器は診療の基本的データを提供するのであるから,つねに信頼性高く安全に運用されなければならない.また,これらの機器は一般に高価であり,能率良く稼働しないと医療費の昂騰を招くことになる.しかし,これらの機器は,対象が患者であることもあって,家庭電気製品のように,何の知識も無しに取り扱えるようにすることはできない.したがって,これらの機器を安全に,信頼的高く,能率良く稼働させるためには,取り扱い者はある程度の工学的知識を持っていなくてはならない.医用機器は今後も,さらに高度に,さらに多量に医療の場に導入されるようになると思われる.一方,医療や臨床検査の仕事をするためには,ただでさえ,相当広い分野の学問を相当に深く勉強する必要があるので,さらに医用機器についての勉強をしなければならないのは相当の負担となると思われる.従来から医学教育で行われているような,一つ一つの機器それぞれについて勉強するような方法では,とても今後の発展に追いついてゆくことはできないと思われる.工学では,共通な基礎的事項から体系的に勉強を進めてゆくので,将来の発展に対しても比較的容易に追いついてゆくことができる.

本シリーズではこのような現状認識に立って,医用生体工学を体系的に理解するための第一歩として,生体の特性について解説する.もちろん臨床応用のための学問であるから,臨床応用の例を挙げながら,比較的容易に理解できるように配慮するので,ぜひお読みいただきたい。

シリーズ・癌細胞診・1【新連載】

甲状腺腫瘍(穿刺吸引生検法)

島 寛人 , 多羅尾 信 , 三浦 清 , 高橋 正宜

pp.67-70

 結節性甲状腺腫における穿刺吸引細胞診は,従来の針生検法に比し合併症などが少なく,また,煩雑な操作を必要とせず簡便に行えるので,最近,多くの施設にてその有用性が認識され,適用されている.しかしながら,甲状腺癌は他の部位の癌に比し,細胞異型に乏しく,しばしば良性・悪性の判断に苦慮する症例に遭遇する.そこで,本稿では,結節性甲状腺腫における穿刺吸引細胞診の実際と,当施設にて経験した若干の症例を供覧し,その細胞形態学的特徴を検討する.

学会印象記 第31回日本臨床病理学会総会

安定の中の模索

佐藤 尚武

pp.71

 第31回日本臨床病理学会総会は1984年10月12日より14日まで,金沢市観光会館を主会場として,松原藤継総会長の下で開催された.筆者は,本学会に参加するようになってまだ日も浅く,総会の印象記は重すぎる荷ではあるが,筆者なりに感じたことを二,三書いてみたい.的外れの点は,浅学の身に免じご容赦いただきたい.

 今回の総会でまず感じたのは,参加者が多い,ということである.演題数も700題を超えるという多さであったが,開催地が金沢という地域的な理由もあってか参加者も多かった.それだけ盛会であったわけであるが,一方で本総会の発表はすべて口演で行われたこともあって,血液,酵素,免疫・血清などのセクションでは同一時間帯に二会場を使って行わなければならなかった.困難なこととは思うが,演題をある程度絞ることも考慮されてよい時期にきているのではないだろうか.

研究

血清アミラーゼアイソザイム分画値の年齢による変動と臨床的検討

谷島 清郎 , 本間 啓子 , 河合 昂三

pp.75-78

緒言

 健常者における血清のアミラーゼアイソザイムの分画値は,現在,報告者によって異なり,膵アミラーゼ(以下P)が高く唾液アミラーゼ(以下S)が低いとする場合1〜3),また,その逆の場合4〜6)などの報告がみられる.しかし,アミラーゼアイソザイム分析は,手技の簡易化や膵炎などの診断における重要性に伴って多用されるようになっており,このような不一致はおろそかにできない.そこで,これらPとSとの健常時における分画値を正確に把握するため,できるだけ再現性の良い分析法を用いて吟味した結果,年齢によって分画値に差のあることが明らかとなったので報告し,併せて,二,三の疾患についての検討を基に,この年齢差を考慮した診断の必要性を考察した.

新しいCandida用簡易液体培地による口腔清掃効果の判定について

谷口 晶英 , 駒井 正 , 浜田 驍 , 藤本 正之 , 吉田 勲

pp.79-82

はじめに

 人口の高齢化が進行する中で,老人医療,とりわけ寝たきり老人の医療の問題が多くの課題を提起し,現在に至っている.

 歯科医療においても例外ではなく,障害者の歯科医療をどう進めるか,という観点から,寝たきり老人の歯科医療について,その体系化が急がれている.そこで著者らは,地域中核病院である私立吉川病院のスタッフの協力を得て,寝たきり老人入院患者の口腔衛生状態を把握し,その改善の方向を明らかにするために,寝たきり老人入院患者の口腔清掃を行い,その効果について検討を加えた.また,口腔清掃効果の客観的評価の方法として,Candidaの菌数を反映する新しいCandida用簡易液体培地(ストマスタット,三金工業(株))を使用し,疫学的調査におけるCandidaの意義とその菌種同定手順について若干の知見を得るに至った.

資料

血液ガス測定における血液ガストノメーターの重要性—全自動血液ガス測定装置での検討

荒谷 清 , 松下 淳 , 丸山 勝也 , 小林 利次 , 城戸 優光

pp.83-86

はじめに

 血液ガス分析装置は,電極法が導入されて以来,数々のくふうがなされ,現在ではスイッチ一つで誰でも簡単に測定ができるようになった.このような全自動化に伴い測定手技による測定値の誤差も最小化され,臨床の各領域に広く普及している.

 しかし,動脈血ガス分析値は,種々の要因により変化をきたすとともに測定装置の種類により測定値に差が認められ,中でも較正条件やそれに伴う電極の反応などが重要な問題点とされている1〜5)

酵素免疫測定法による血清中γ-Seminoprotein(γ-Sm)濃度測定法の検討—II.測定法の精度について

蒲池 信一 , 吉村 忠司 , 丸山 智子 , 吉村 典子 , 熊木 健治 , 若林 清重 , 小菅 忍 , 佐川 公矯 , 横山 三男 , 津田 亮一 , 原 三郎

pp.87-90

はじめに

 前立腺特異抗原であるγ-Seminoprotein(γ-Sm)をヒト精漿から精製し1〜4),γ-Smが前立腺上皮細胞に局在していることを明らかにした5)。さらに,RIA法で測定した血清中のγ-Sm濃度は前立腺癌の診断の補助になり,また,血清中γ-Sm濃度は血清中前立腺由来酸ホスファターゼ(PAP)濃度と相関が無いことから,前立腺癌患者の血清中γ-Sm濃度測定はPAP濃度測定とは異なる意義を有することが示唆された。そこで,γ-Smに対するモノクローナル抗体を用いた,血清中γ-Sm濃度測定のための酵素免疫測定(EIA)法を確立した7)

 今回,確立したEIA法についての基礎的検討を行ったので報告する。

EIA法による抗ATLA抗体測定用キットE−0733の検討

田口 博國 , 北川 隆夫 , 藤下 雅敏 , 新谷 憲治 , 三好 勇夫

pp.91-94

 成人T細胞白血病(ATL)はいまだ確立した治療法が無く1),3〜6か月の経過で死亡するきわめて予後不良の疾病である.また,この疾患患者材料を用いて樹立された細胞株MT−2からは,多量のC型レトロウイルス(HTLV)が産生されていることが判明している2)が,いまだワクチンの開発には至っておらず,現在の時点で可能なことは,ただ,このウイルスの伝播を少しでも防ぐことしかない.HTLVの伝播経路として推定されているのは親から子,夫婦間3)および輸血4,5)の三つである.このうち親子,夫婦間の伝播の予防にはワクチンの開発を待つしかないが,輸血については,供血者のATL関連抗原(ATLA)に対する抗体のスクリーニングを行って,抗体陽性の血液の使用を制限すれば,確実にウイルスの伝播を防ぐことが可能である.われわれはこの目的のために,抗ATLA抗体の酵素免疫測定法(enzyme immuno assay;EIA)を開発した6)が,今回エーザイ株式会社によりそのキット化が達成されたので,多数の血清について従来の蛍光抗体法7)(IF)と比較し,検討を加えた.

質疑応答

臨床化学 アスコルビン酸の二面的反応性

中元 伊知郎 , 高阪 彰 , 森下 芳孝

pp.95-96

 〔問〕アスコルビン酸はH2O2—ペルオキシダーゼ系には負誤差を生じ,H2O2—カタラーゼ系には正誤差を生じるとされ,下図のような反応式が書かれます.

 負誤差は,H2O2が消費されるということで理解できます.一方の正誤差について,

臨床化学 セルロース・アセテート膜の特性

K生 , 青木 紀生

pp.97-98

 〔問〕現在セルロース・アセテート膜について検討中ですが,ザルトリウスの製品を使用して標準法に従って泳動すると,β域のγ寄りに塗布位置があり,デンシトメトリーを行うと小さなピークがあります.そこで,データとしてはβが少し高めに出るようです.セルロース・アセテート膜の特性をお教えください.

血液 ヘパプラスチンテストの異常高値

D生 , 磯部 淳一

pp.98-100

 〔問〕当院ではヘパプラスチンテストを外注していますが,数件に1回程度,肝臓の悪い患者の血漿で200%以上の結果が出ます.外注のため,検体の採取・保存・輸送の状態の悪くなることも心配していますが,この異常高値の臨床的意義をお教えください.

微生物 B群レンサ球菌の血清型別/尿中に出現する原虫の臨床的意義

M生 , 寺田 友次 , 高田 義久 , 大鶴 正満

pp.100-102

 〔問〕B群レンサ球菌の血清型は,多糖体抗原と蛋白質抗原とによってIa,Ib,Ic,II,III,R,Xの七つに型別されていますが,デンカ生研提案の型別との関係についてお教えください.

 〔問〕外部からの混入を含めて,尿中に出現する原虫についてお教えください.(図省略)や(図省略)といった形態で,鞭毛の方向に進み,かなり活発な運動性を有しています.大きさは,小さいのは酵母よりひとまわり大きいくらいです.ほとんど真菌とともに観察されます.これらの原虫の臨床的意義についてご教示ください.

臨床生理 超微量呼気ガス分析装置

S生 , 山本 克之

pp.102-104

 〔問〕超微量呼気ガス分析装置の実用性につき,特にモニターとしての有用性についてお教えください.

診断学 CEA産生をみた小細胞性肺癌

K生 , 有吉 寛

pp.104-105

 〔問〕小細胞性肺癌はCEA非産生と言われますが,病理組織診断にて小細胞性肺癌と診断された患者で,CEA 13.9ng/mlの上昇をみました(検出はEIA法で,アボット社のキットを用いました).これはどのように解釈すればよいでしょうか.

診断学 フローサイトメトリーによる白血病の診断

M生 , 横山 三男

pp.105-108

 〔問〕フローサイトメトリーにより細胞の鑑別が可能となりましたが,白血病診断における,従来の染色標本からの診断との優劣,特徴などをお教えください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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