文献詳細
文献概要
これからの臨床検査の動向・4
臨床化学検査
著者: 坂岸良克1
所属機関: 1埼玉医科大学生化学教室,中央検査部
ページ範囲:P.1185 - P.1191
文献購入ページに移動はじめに
臨床化学検査の内容が化学分析から成ることは否めない.血液(血清)を主とする生体成分を化学的に扱うことは,いわゆるAvogadro数に基づく分子,原子,イオンの数を数えることであり,その操作は明らかに定量分析である.
1モル濃度(mol/l)の溶液1ml中には6,023×1020個の分子あるいはイオンが存在するはずであるから,電解質のバランスはNa+,K+,Ca2+,Mg2+の合計を陽イオン量(mEq/l)とし,Cl-,HCO3-,HPO24-,NO3-,NO2-,蛋白質,有機酸量(mEq/l)との差から判定してきた.これをmg/dlの単位で比較したのでは,まったく比較のしようがないのである.
臨床化学検査の内容が化学分析から成ることは否めない.血液(血清)を主とする生体成分を化学的に扱うことは,いわゆるAvogadro数に基づく分子,原子,イオンの数を数えることであり,その操作は明らかに定量分析である.
1モル濃度(mol/l)の溶液1ml中には6,023×1020個の分子あるいはイオンが存在するはずであるから,電解質のバランスはNa+,K+,Ca2+,Mg2+の合計を陽イオン量(mEq/l)とし,Cl-,HCO3-,HPO24-,NO3-,NO2-,蛋白質,有機酸量(mEq/l)との差から判定してきた.これをmg/dlの単位で比較したのでは,まったく比較のしようがないのである.
掲載誌情報