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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻10号

1985年10月発行

文献概要

研究

カラム法酵素免疫測定法による唾液中の分泌型IgAの定量

著者: 山本良平1 村瀬敏之2 早川哲夫2 加藤兼房3

所属機関: 1天野製薬㈱研究開発部 2名古屋大学医学部第2内科 3愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所生化学部

ページ範囲:P.1211 - P.1214

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緒言
 分泌型IgA (Secretory IgA:SIgA)はセクレタリー・コンポーネント(Secretory component:SC)1分子,IgA 2分子およびJ鎖1分子より成る複合蛋白質である1).このSIgAは唾液,乳汁,汗などの外分泌液における主要なイムノグロブリンであり,同時に血液中にも微量存在し,腫瘍,炎症などでそのレベルが上昇するという報告がある2〜4)
 SlgAは通常,SCとIgAの抗体を用いる免疫学的手法によって測定されるが,この際一つの問題がある.すなわち,SIgAの測定対象となる血液,唾液などの生体試料中には,SIgAと同時に遊離型のSC (FSC)とIgAが存在し,これらが測定に用いる抗体と結合するため測定が妨害されたり,あるいは見かけ上定量値が高くなるような現象が認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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