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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻10号

1985年10月発行

文献概要

研究

トロンボエラストグラム(TEG)と凝固線溶能との相関について

著者: 細野幸多1 棚倉正江1 林明坤1 柿沼三郎1 布施養慈1

所属機関: 1帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科

ページ範囲:P.1215 - P.1218

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はじめに
 トロンボエラストグラム(TEG)は1947年Hartert1)により考案され,内因性血液凝固の開始から線維素溶解現象までの変化を経時的に記録し,血小板,凝固および線溶系の異常を知ることができる.血小板の減少や機能異常ではr,kの軽度延長とma (maximalamplitude)の縮少,血友病のような凝固異常ではr,kの著明な延長,XIII因子乏ではmaが徐々に減少,線溶亢進ではmaの縮少から消失,凝固亢進状態ではr,kの短縮とmaの増大などがみられる2).また線溶亢進でFLR(fibrinolytic rate:(ma-ma')/ma×100,ma'はmaより60分後の値)の上昇を認めるとの報告もある3,4)
 最近,アンチトロンビンIII(AT III),α2プラスミン・インヒビター(α2—PI),プラスミノゲンなど比較的簡単に測定できるようになったが,実際にTEGによる測定値r,k,ma,FLRと血液凝固線溶検査値との相関をみた報告は少ない.今回われわれはTEGと血液凝固線溶能との相関について検討し,若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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