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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査29巻12号

1985年11月発行

雑誌目次

今月の主題 細菌同定の迅速化へのアプローチ

カラーグラフ

市販されている細菌同定用キットの使いかた

藪内 英子

pp.1606-1608

 乾燥型キットのいくつかを選んで提示する.「技術解説」の表1からもわかるように,APIの製品だけでも10種以上が市販されており,それらについて菌接種前,菌接種後試薬滴下前,試薬滴下後の写真を掲載することはできない.したがって,紙面の許す範囲内で11種類のキットの写真16葉を選んだが,エンテオグラムとノンファグラムの2製品のみは近日発売予定である.一般に発育が良好で代謝活性の強い菌種,検出頻度が高く,したがってデータが豊富な菌種は,どのキットを使っても高い精度で同定される.基質の分解試験を主としたキットで,陽性反応がなくコード番号に0が並ぶ菌株は,補助テストを併用して初めて同定できる.これに対して,同化テストやchromogenic substrateを組み込んだものでは同定可能菌種が多くなっている.多数のキットの長所・短所を知ったうえで,各検査室の実情に合ったものを選んで使いこなさなければならない.

技術解説

市販されている細菌同定用キットの使いかたと評価

藪内 英子 , 山中 喜代治

pp.1609-1617

 日本の臨床細菌検査分野に簡易同定キットが紹介されてからほぼ10年になる.賛否両論の中で,簡易キットそのものは臨床検査に定着してきた.この間,種々の外国製品が導入される中で,国産製品も開発された.新製品が次々と導入される一方,日本の市場から姿を消したものもあった.

 培養によらない迅速同定法や自動化された同定法もそれなりの成果を挙げている中で,培養による同定法は,嫌気性菌を含めて通常の好気培養での迅速・即日同定へと前進するだろう.

ガスクロマトグラフイーによる細菌同定の迅速化

辨野 義己

pp.1618-1623

 細菌,特に嫌気性菌の分類・同定にはガスクロマトグラフィーによる培養液中の代謝産物—アルコール類,揮発性脂肪酸,乳酸およびコハク酸—の定性・定量分析が必須である.これらは嫌気性Gram陽性球菌やClostridiumの分類・同定に必須であるばかりでなく,嫌気性Gram陽性桿菌の菌属間の区別にも重要な性状である.本稿では,嫌気性菌の分類・同定にガスクロマトグラフィーを用いるために,試料の処理法,培養液中の代謝産物の解析法を述べるとともに,各種菌種による代謝物パターンの特徴を述べる.

DNAハイブリダイゼーション法による細菌迅速同定の可能性

吉川 昌之介

pp.1624-1630

 DNAハイブリダイゼーション法がどうして可能かについてDNAの化学構造から解説し,それを検出する方法について,特に臨床検査法として取り入れやすい方法について図示,解説した.その際用いるべきプローブを何に求めるべきかについて,最近の組み換えDNA実験技術の導入による細菌の病原性の分子遺伝学的研究の成果をふまえて解説した.「分類学をより科学的に」という立場からみればいささか突飛な問題提起であることは重々承知のうえであるが,そういう物の見かたもありうることを認識していただきたい.そういう柔軟な物の見かたこそ,明日に生きる検査技師や医療従事者に今何よりも求められることであろう.

細菌の二次代謝産物,特に蛋白毒素の検出による起病菌の迅速推定法

本田 武可

pp.1631-1635

 臨床検査における自動化・迅速化は,生化学検査分野を中心に目覚ましい発展をとげてきているのに対し,微生物検査における迅速化は簡易同定キットなどの普及があるものの,臨床医が利用しうる情報を検査室から入手するまでに,一般には早くて48時間を必要とするのが現状である.したがって,現行の分離・同定法である形態・染色性検査,培養性状検査,生化学的検査などとは別の観点から,細菌同定における迅速化の可能性を追求すべきであろう.

 細菌感染症の発症機構を考えた場合,菌の組織侵入性と毒素産生性が主要な病原因子と考えられるが,特に蛋白性毒素研究の最近の進歩に伴い感染・発症における毒素の役割が次々明らかにされ,病原性と密接に関連する蛋白毒素産生能の検出が真の起炎菌の同定のために必須とされる例が増加してきた.例えば,毒素原性大腸菌の場合は,一般的な検査では普通の大腸菌とまったく区別できず,易熱性エンテロトキシン(LT)または耐熱性エンテロトキシン(ST)の産生性を調べることにより初めて急性下痢症の原因菌と同定できるわけで,正確・簡便・迅速な毒素産生能の検査法が必要となってきている.

細菌検査自動化機器とその評価

古田 格

pp.1636-1642

 細菌検査の領域においても,自動化に対する関心は高い.それは,以前とは比較にならないほど多くの検体が検査室に提出される今日にあって,自動化を行わなければ十分に対応できないからである.

 従来から行われてきた用手法は,検査効率が悪く,検査には多くの検査時間と人員とを必要とするので,当然効率良く,短時間で検査を行える方法が必要となる.これを解決するためには,自動機器の力を借りなければならない.しかしながら,細菌検査の自動化は,細菌検査を行った方々であるならば,その困難さが想像できよう.細菌同定を行う場合には,細菌の種類により培養法,使用する分離培地や検査項目が異なり,これらを画一的な方法で検査し,同定することは不可能であるためである.

総説

臨床細菌検査の簡易,迅速化の現状と問題点

中村 正夫

pp.1643-1651

まえがき

 臨床細菌検査を大きく,狭義の細菌検査とウイルス検査とに分けて考えることができる.一般細菌検査も他の臨床検査分野に比し迅速化しにくいものであり,日常検査では通常2〜3日を要する.臨床検査の目的あるいは他の臨床検査との関連を考えると,微生物検査においても迅速診断の必要性は大きい.

 一方ウイルス性疾患については,病原体検出あるいは血清学的検査いずれにしても検査に長時日を要することが臨床検査の立場では問題点の一つになっており,迅速診断はウイルス検査の場合にもその意義を高めることになる.リケッチアあるいはクラミジアも分類上,細菌に属する病原体であるが,検査での取り扱いではウイルスに近いと考えられ,ウイルスの場合と同様の問題点がある.

 将来の臨床検査としては,どの分野の検査についても速やかに,しかもすべての成績がそろって臨床へ報告されることが望ましい.生化学,IiL液などの成績が短時間の間に報告されたとしても,微生物関係の成績は2〜3)後というのでは,総合的に判断しようとする臨床の立場にはふつこうである.

主題を語る

臨床細菌検査の精度を高め迅速化するための条件

小澤 敦 , 佐久 一枝

pp.1652-1657

 検査を進める中で,考えて判断するという作業が減少し,機械的な判断を下すことで検査結果が出される傾向はないだろうか.人間の具備する能力は,修練を積むことにより,例えばコロニーを見て菌名を推定できる観察眼を生む.基本をなおざりにせず,知見を蓄積し基礎力を高めることが,臨床細菌検査の在るべき姿と一致する.

座談会

医学細菌学における近代細菌分類学の利用度とギャップ

播金 収 , 小栗 豊子 , 島田 馨 , 松本 慶蔵 , 藪内 英子 , 小酒井 望

pp.1658-1667

 細菌分類学は絶えず進歩する.国際的な新しい分類体系が決まると,細菌の属名,種名が変更されることは珍しくない.細菌検査を担当する臨床検査室は,改訂された新分類にどう対応するか,そして臨床検査室の利用者である臨床医に,新分類をどう徹底していくかが問題である.細菌の簡易同定キットが幾種類も市販され,それらは新分類に合わせて改訂されるから,検査室の新分類への対応は困難ではない.しかし,同定キットには限界があることを知っていなければならない.そして,検査室は臨床との連携,情報交換を密にしておけば,新しい分類体系も円滑に臨床医に受け入れられるであろう.

これからの臨床検査の動向・5

免疫血清検査

東條 毅

pp.1671-1676

はじめに

 免疫血清学は,臨床検査の多くの部門にわたって応用されている.抗原抗体反応を利用した特異的な検出法は,その利用価値がきわめて高い.モノクローナル抗体が実用化してくる今後は,この免疫学的特異性を使った臨床検査が,多方面に拡大するものと予測される.

 本稿では,主として血清反応の検査に限定した.これからの動向を述べるに当たっては,検査室からのデータを受け取る臨床医の立場を主とするものとした.したがって,全体の動向を十分に把握できていない危惧が大きい.これを補う意味で,筆者が直接に関与している抗核抗体検査を取り上げて,その動向を詳述した.これによって,免疫血清学全体の動向を探る指標の一つとなれば幸いである.

シリーズ・先天性遺伝性疾患の診断に役だつ検査・11

染色体異常症

家島 厚

pp.1679-1686

はじめに

 細胞遺伝学の進歩により,次々と新しい染色体異常症が発見されてきた.とりわけ,1970年代の染色体分染法の導入により,部分トリソミー,部分モノソミーの報告が爆発的に増え,いまやすべての染色体の異常が知られるに至っている.そして,染色体検査が,一部の専門的機関あるいは研究所で行われていた時期から,染色体検査を行う医療機関,商業ベースの検査施設が増えるにつれ,日本中どこでも染色体検査ができる時期へと変貌してきている.染色体検査は,いまやルチーン検査として定着しつつある.また,染色体分染法(主にGバンド)もルチーン化し,さらに,高精度分染法,二重分染法,脆弱X染色体検査法など新しい検査法も開発されてきている.そのために生じてきた問題点を列記すると,①染色体検査の普及のスピードに,一般の医師がついていけず,検査のやりっぱなしになりやすく,患者およびその家族に適切な説明,指導がなされていないこと,②染色体検査の適応が広くなり,依頼検体数が増え,どこまでどんな検査をすればいいのか困ること,③まだ検査室間で染色体検査の手技にバラツキがあること,などが挙げられる.

 今まで染色体検査についての解説は繰り返しなされているので1〜4),本稿では,先天異常に関連した染色体検査に焦点を絞り,一般の検査室で必要と思われる検査を中心に述べたい.

シリーズ・医用基礎工学入門・11

X線・放射線・1

竹中 榮一

pp.1688-1691

1.はしがき

 放射線とは,空間または物質を通して波動または粒子の運動エネルギーの形で放出されるエネルギーの伝播を言う.音波は真空中を飛ぶことができないので除外する.

 具体的には①電波,赤外線可視光線,紫外線,X線,γ線のように,周波数が発生源で決められる"電磁放射線",②α線,β線,電子線,中性子線,さらに中間子線,陽子線,11C,12C,16O,20Ne,32Si,40Arなどの高速イオン線などの"粒子放射線"に分類する.これらは,物質中でそのエネルギーの大部分を直接,間接に電離で失うので"電離放射線"と言う.そのうち,X線γ線,中性子線は間接的に電離するので"間接電離放射線"と言う.

 電磁波であるX線,γ線は治療,診断に,γ線は治療に使われてきたが,プロントン,粒子線も映像や粒子線治療に使われ始めた.また,γ線や特性X線を放出する放射性同位元素による画像および計測診断がおおいに利用されている.

シリーズ・癌細胞診・11

消化器癌

猪狩 咲子

pp.1693-1696

 消化器癌範囲は広く,口唇から肛門までの消化管癌と,肝,胆,膵の癌とを含み,細胞形態も部位により異なる.細胞採取方法も内視鏡下生検塗抹法,内視鏡下ブラッシまたはスポンジ擦過法,穿刺吸引法などがある.近来消化管では内視鏡の発達により組織採取が容易となったため,細胞診は衰え,代わってエコーガイド下の肝,胆,膵の穿刺吸引細胞診が盛んに行われるようになってきた.以下,主な部位の癌細胞の特徴について簡単に述べる.

第6回医学書院臨床検査セミナーより・1【新連載】

脳波検査の進歩

江部 充

pp.1697-1704

 きょうは"脳波検査の進歩"ということでお話しいたしますが,日常診療の検査として取り上げられているものについて最近の傾向を述べます.したがって,学会で問題になっているような新しい研究的なことは,この際取り上げないことにいたしました.また,現状を踏まえて,将来像についても述べたいと思います.脳波検査の進歩はエトクトロニクスの進歩につねに裏打ちされているということが,非常にだいじなことです.

 きょうの話は四つの主たるテーマを取り上げます.第一に日常脳波記録に関係したこと,第二に終夜睡眠ポリグラフについて,第三に誘発電位の問題,最後にデータ処理について話を進めます.

研究

諸種疾患におけるIAPと免疫血清検査値

三浦 利彦 , 寺崎 茂 , 塗 たか子 , 矢吹 重光 , 安孫子 兵三郎 , 大内 栄悦

pp.1705-1708

 免疫抑制酸性蛋白質(immunosuppressive acidicprotein1),以下IAPと略す)は,癌患者血清中に証明される糖不全を伴うα1-酸性グリコ蛋白質(α1-acid glycoprotein)である.各種悪性腫瘍におけるIAP値は悪性腫瘍患者のperformance statusとよく相関することが報告されており2),IAPの測定は担癌患者における免疫能の解析のみならず,全身状態を反映するパラメーターとしても臨床的に有意義であると考えられる.IAPの測定は従来,SRID法により測定されている3)が,われわれは前報4)において報告したごとく免疫比濁法によって,臨床化学検査に汎用されている自動分析装置を用いて測定することを試みた.

 今同は自己免疫性疾患,各種悪性腫瘍,肝疾患などの各種疾患についてIAPを含めた各種免疫血清学的検査ならびにシアル酸を同時に測定し,IAPとそれらのデータとの関連性について検討したので報告する.

資料

試験管固相法とダブル・モノクローナル抗体を用いたワンステップ・サンドイッチ法によるCEA・EIA法の検討

田端 省三 , 渡辺 久美子 , 金川 澄子 , 三好 由子 , 近藤 徹 , 古家 泉 , 秋條 範子 , 枇椰 せつ子 , 清見 千代子 , 合田 麻美 , 大川 二朗 , 指方 輝正

pp.1709-1713

 CEA (癌胎児性抗原,carcinoembryonic antigen)の癌特異性抗原としての意義は失われたが,癌関連抗原として癌の治療効果や癌の再発の管理のために,腫瘍マーカーの中でももっとも広く用いられている1,2)

 CEA分子は糖成分を50〜85%も持つ糖蛋白質であり,電気泳動ではβ領域に瀰漫(びまん)性に泳動される不均一な物質である1,2).また,CEAに共通な抗原決定基を持ついわゆる交差反応物質(nonspecific crossreacting antigens,以下NCAとする)が多数存在するために1,2),CEAをより特異的に認識するモノクローナル抗体に大きな期待がかけられている3〜5).最近わが国で入手できるEIA法によるCEA測定キットの大部分にモノクローナル抗体が用いられている(表1)6〜8).また,複数の腫瘍マーカーを組み合わせて測定するコンビネーションアッセイにより腫瘍マーカーの診断効率が向上することから,数多くの腫瘍マーカーを検査室で測定するようになり,検査室の仕事量が増加してイムノアッセイの自動化へのニードも高まりつつある.今回,固相および酵素標識抗体にモノクローナル抗体を用い,ポリスチレンボールの代わりにプラスチックチューブを固相として用いて洗浄,基質分注,分光測定,濃度換算の一連のステップの自動化を可能にしたEIAテストCER R(Boehringer Mannheim社)をルチーン検査に導入するために検討する機会があり,その基礎的および臨床的検討を行ったので報告する.

編集者への手紙

ビクトリアブルー簡易法によるHBs抗原の証明

関口 進

pp.1714-1715

1.目的

 組織内HBs抗原を証明するためにビクトリアブルー法(諏訪法)は,現在もっとも頻繁に使用され,特に酵素抗体法(PAP法)がルチーン化されていない施設においては必須の染色法である.しかし,この方法にはいくつかの短所がある.

 ①染色液の作製が複雑で時間がかかる.

尿蛋白質定量に関する編集者への手紙を読んで

斎藤 正行

pp.1716

 これは正直たいへん難しい問題で,皆からいろんな方法が発表されています.古くて今でも用いられているものにはそれなりの歴史に耐える理由とか,その国のユーザー(臨床医)の考えかたを含めて「良さ」があるからでしょう.欧州のある国では今でもEsbach管が定量法としていちばん多く用いられています.

 一方,いろんな人から次々と方法が発表されることは逆に,この物質の測定法に指摘のような問題点がたくさんあるのでしょう.私のファイルに「誌上論争の続く尿蛋白質測定法」という大阪市立大学中氏のおもしろい記事がありました1).どれが正しいのか私にはわかりません.この問題を私も本誌(22,214〜216,1978),Medical Technology誌(6,819,1978)および学会誌上2)で述べたこともありますが,ご覧いただけなかったようです.もちろん,何も新しい内容ではありません.

追悼

Burnet卿の死を悼んで

松橋 直

pp.1720

 今日の免疫学の進展は目覚ましく,リンパ球,マクロファージなどがお互いに助け合い,また索制し合って一定の調和を保ちつつ,免疫の機能が発揮されていることが明らかになっている.さらに,研究は進められ,DNAレベルにおいても特異抗体産生の機序,特異性を有するリンパ球の出現の機作が解明されつつある.そして,モノクローナル抗体,インターリューキン(IL 1,2),インターフェロンなど,免疫学の成果が実用になろうとしている.「抗体とは抗原が動物体に侵入したときに,特異的に反応する物質として作られる血清中のグロブリンである」として,今世紀初頭に立てられたEhrlichの側鎖説およびその流れをくむ仮説の時代に学んだ当時は考えも及ばない,驚くべき進歩である.

 この現代免疫学の展開の原動力になったのが,世紀の論客Burnet卿の大胆な仮説である.ウイルス学者であった卿は免疫応答に注目したが,自然淘汰による進化論の立場から思索を進めた.その説は生物界の自然現象を巧みに利用しており,いろいろな免疫現象を無理なく説明できるので,納得するものが多かった.その仮説を証明しようと若者は,一番乗りを目指して頑張る.そして,疑問も提出されると,その疑問を逆に利用して次の新な説へと転進し,さらに魅力ある説が打ち立てられ,若者にファイトを湧き立たせる.

 第一の成功は,Owen(1945)が,ウシの二卵性双生仔で二つの異なる血液型が混存しても/1二いに抗体を作らずに生存するキメラ動物ができることを発見したのに着目,動物が自己と非自己を認識する力,すなわち免疫能力を持つようになるのは胎生期に獲得するからと考え,本来免疫原となる物質が胎生期に侵入すると免疫ができなくなり,寛容になるという免疫学的寛容の存在を予、1した.その後,Medawarら(1953)によるマウスの実験により,その予言の正しいことが証明され,1960年にはMedawarとともにNovel賞を受賞している.

質疑応答

臨床化学 低分子量IgM

R女 , 鉢村 和男 , 大谷 英樹

pp.1721-1723

 〔間〕低分子量IgMについて,以下の四点をご教示ください.

(1)性判犬

臨床化学 新生児におけるビリルビン分画の意義

堀 勝裕 , 高阪 彰

pp.1723-1724

 〔問〕生後18日の新生児のビリルビン直接・間接測定というオーダーが出ましたが,新生児におけるビリルビン分画の意義をお教えください.

臨床化学 高HDL値の解釈

T生 , 野間 昭夫

pp.1724-1726

 〔問〕ポリエチレングリコール法でHDLを測定していますが,HDL値が120〜130mg/dlという結果が出ました.その患者血清自体は白濁してはおらず,患者さんは糖尿病患者でした.このHDL高値の意義をご教示ください.また,でイスリンとHDLとの関係に関する文献がありましたらお教えください.

血液 血球計算用コントロールの劣化

Y生 , 新谷 和夫

pp.1726-1728

 〔問〕当病院ではコントロールとしてCH−600—N (Dade社)を使用しておりますが,1バイアルにつき3週間程度しか安定せず,また日数が長くなるにつれて赤血球,白血球,ヘモグロビンが上昇し,ヘマトクリットが低下します.安定性が悪い原因として何が考えられるのか,また劣化するとどのように値が変動するのかについてご教示ください.

血液 血小板のカリウム含有量は/輸血 不規則性抗体〔+〕の場合の輸血:特に抗Lewis抗体陽性の場合

O生 , 𠮷野 二男 , 西 博子 , 小島 健一

pp.1728-1730

 〔問〕『臨床検査』で,血清電解質測定の際に血小板が著しく多いときにはカリウムが高くなる,という報告を読みました(25(8),914,1981)が,私の病院でも数例経験しています.血小板中にカリウムはどのくらい含まれているのか,また,どのくらい放出されるのかをお教えください.

 〔問〕ABO式以外の,例えばLewis式の血液型での不適合がたまに見受けられます.この場舎の供血血液について注意すべき点をお教えください.また,連銭形成を起こす場合の適合血検査法もご教示ください.

免疫血清 特発性血小板減少性紫斑病の血小板膜抗原

S生 , 村上 博 , 池田 康夫

pp.1730-1731

 〔問〕特発性血小板減少性紫斑病は自己免疫疾患とされていますが,この際自己抗体が血小板減少を起こすと考えられます.この自己抗体に対応する抗原は血小板膜にあるわけですが,いったい何が考えられているのでしょうか,ご教示ください.

検査機器 免疫センサーへの酵素固定化法

Q生 , 軽部 征夫

pp.1732-1733

 〔問〕免疫電極法に用いる免疫センサーの不溶性膜あるいは電極表面に,酵素を固定化する方法を,具体的に教えてください.また,この免疫電極法の自動化の展望はどうでしょうか.

診断学 発症2年後でもIgMクラスHBc抗体陽性の意義

K生 , 市田 文弘 , 吉川 明

pp.1733

 〔問〕2年ほど前に急性B型肝炎にて3か月ほど入院し,退院後も約3か月通院して定期的に検査を受け,当時の検査はHB関連抗原・抗体はそれぞれ〔—〕・〔+〕でした,最近,肝機能検査を受けた際,化学検査の結果はすべて正常でしたが,HB関連抗原・抗体について下記のような成績でした.

HBs抗原〔—〕0.4CI,抗体〔+〕17.8CI

資格・制度 細胞診と臨床検査技師

A生 , 石束 嘉男

pp.1734

 〔問〕細胞診は臨床検査技師の資格があっても,ほかに資格がないとできないのでしょうか.また,技師法違反になるのでしょうか.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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