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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻13号

1985年12月発行

文献概要

第6回医学書院臨床検査セミナーより・2

リンパ球の機能発現に関する最近の知見

著者: 橘武彦1

所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所免疫学

ページ範囲:P.1823 - P.1830

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1はじめに
 本日は,リンパ球の機能発現についてこれまでに得られた知見をお話して,リンパ球の機能検査の理解に少しでも役だてていただければ幸いと思います.
 免疫の話は理解しにくいという批評をよく耳にします.いろいろな免疫現象が見いだされ,しかも,そこに種々の細胞が登場してきて,それぞれの役割を演ずるので,込み入ったドラマの筋書きがよく理解できないような感じと似ているのではないかと思っています.
 抗体産生を例にとれば,まず抗原となる物質や病原体などを処理して抗原情報を取り出し,その情報を受け取るためのレセプターを持った細胞にシグナルを送るIところが抗原情報のシグナルを受けた細胞が増殖し,分化して最終的な抗体産生細胞となるためには,別のいくつものシグナルを他の細胞から受け取る必要があることがわかってきました.このような過程についてはこれから概説しますが,要するに,いろいろな細胞と細胞との間のコミュニケーションがどのように行われているのかが大きなテーマとして,免疫では取り上げられているのです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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