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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻13号

1985年12月発行

文献概要

研究

トネイン-TP標準色を用いたCoomassieブリリアントブルーG250法による尿蛋白質半定量法

著者: 芝紀代子1 金森きよ子1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部付属病院検査部生化学

ページ範囲:P.1833 - P.1837

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 今日尿蛋白質半定量法および定性法として,試験紙法や20%スルホサリチル酸法が頻用されている.試験紙法はpH指示薬であるテトラブロムフェノールブルーとの反応であるところから,主としてアルブミンに対して反応性が高い.グロブリンをとらえるために,20%スルホサリチル酸による比濁法の併用が推奨されている.
 しかしながら,1983年に佐野ら1)は,尿中にはスルホサリチル酸に可溶性の蛋白質が存在することを明らかとし,尿中のすべての蛋白質を測定しうる方法はCoomassieブリリアントブルーG250(CBB)法であることを報告した.尿蛋白質の定量法としてCBB法が広く普及しているにもかかわらず,半定量法および定性法には試験紙法や20%スルホサリチル酸法を依然として用いているのも矛盾を感じることである.
 そこでわれわれはCBB法を尿蛋白質の半定量としても応用することを考えた.CBBで発色した蛋白質濃度O,5,10,20,30,50,100mg/dlの標準液とまったく同じ色調を呈するものをプラスチックでロット状(直径1cm,長さ1.2cm)に作り,それを値の低いものから順に縦に並べた棒状の標準色調(トネインーTP標準色,大塚アッセィ研究所)を考案した(図1).尿蛋白質は通常どおりCBBで発色した後,トネイン-TP標準色を基準として肉眼判定するものである.
 本報ではトネインーTP標準色を用いて尿蛋白質の半定量を試みたところ,十分実用価値があると考えたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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