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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻2号

1985年02月発行

文献概要

シリーズ・医用基礎工学入門・2

基礎・2

著者: 金井寛1

所属機関: 1上智大学理工学部

ページ範囲:P.197 - P.199

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生体の構成
 生体は,原子→分子→細胞内構造→細胞→組織→臓器→系→個体,というように階層的に構成されている.生体の特性を考える場合には,これらのどのレベルが重要であるかを考えなければならない1).X線,光,電波,超音波,力学的振動などはいずれも波動なので,これらに対する生体の特性は同一の現象として統一的に考えることができるが,波長が異なるので上記のどのレベルが重要であるかは波長によって決まる.例えば,X線は波長が短くエネルギーが強いので,X線の生体内での吸収や散乱は原子レベルで決まる.光の場合はX線より波長が長いので,吸収は原子・分子レベル,散乱は原子・分子・細胞レベルの影響が大きい.
 電気特性は一般に細胞・組織レベルの構造で決まるが,マイクロ波では波長が組織の大きさに近くなり,組織レベルでの共鳴や散乱が重要となる.超音波,力学振動などは細胞・組織レベルと関係が深いが,超音波吸収や力学的非線形性は分子レベルの影響を強く受ける.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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