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研究
グリア線維蛋白質に対するモノクローナル抗体の作製と免疫組織化学による特異性の検討
著者: 羽賀誠一1 石井毅1 小柳新策1 相沢貴子2 佐藤麿人2 斉藤喬士3 加藤賢三4
所属機関: 1(財)東京都精神医学総合研究所超微形態研究室 2(財)東京都精神医学総合研究所分子生物学研究室 3杏林大学医学部生物学教室 4国立予防衛生研究所腸内ウイルス部
ページ範囲:P.819 - P.823
文献購入ページに移動グリア線維蛋白質(glial fibrillary acidic protein:GFAP)は中枢神経系の星状膠細胞(アストログリア)に存在する,グリア線維の主な構成蛋白質である.GFAPは抗原性が高く,その免疫組織化学的研究は数多く報告されている.特に近年,脳腫瘍の組織診断に抗GFAP抗体が広く使用されている.
われわれはヒト脳組織を抗原として,GFAPに対するモノクローナル抗体を作製した.モノクローナル抗体は理論的には,単一の抗原決定基だけを認識するきわめて特異性の高い均一な抗体である.しかし,免疫した抗原に多数存在すると思われる他の抗原決定基は認識しないため,反応領域が狭いという性質も持っている.
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