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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻8号

1985年08月発行

文献概要

シリーズ・癌細胞診・8

肺癌・I—喀痰

著者: 早川欽哉1

所属機関: 1中央鉄道病院中央検査室

ページ範囲:P.945 - P.948

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1.喀痰細胞診の特徴
 呼吸器系の細胞診でもっとも基本になるのは喀痰検査で,ほかにブラシによる気管支擦過法,気管支洗浄法,針穿刺吸引法,手術時のなつ印法などがある.喀痰細胞診の長所は材料採取が簡便で,反復でき,またサコマノ法などを利用することにより材料の長期保存と集細胞が確実にできるようになり,集団検診が容易で,しかも高度の診断精度が得られることにある.しかしながら,ほかの直接採取法に比し細胞の鮮度が落ち,変性所見がより強い点と,腫瘍が気管支内腔面に露出していること,腫瘍より末梢の肺実質に無気肺を生じていないこと,および腫瘍より中枢側の気管支枝に閉塞や狭窄がないことの三条件が喀痰中への腫瘍細胞の排出に必須である点は常に留意しなければならない.以上の点を加味しても,喀痰細胞診は反復検査を繰り返すことにより,成績の良い場合には80%以上の陽性率を得ることができている.ここでは喀痰中の各種悪性細胞の特徴について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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