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文献詳細

雑誌文献

臨床検査3巻10号

1959年10月発行

文献概要

『医学常識』

心臓のはなし

著者: 鈴木秀郎1

所属機関: 1東大病院中央検査部血清検査室

ページ範囲:P.587 - P.592

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I.心臓の構造と機能
 心臓は胸廓のなかで中央よりやや左側に位置し,両側から左右の肺にかこまれ横隔膜の上にのつています。大きさはにぎりこぶしよりやや大きい程度で全体が厚い筋肉の壁からできています。この筋肉は四肢をうごかす筋肉(横紋筋)と血管や腸管の壁にある筋肉(平滑筋)の両者の性質をかねそなえているような特殊な筋肉で心筋とよばれます。この他心臓には特別な幼若な筋線維がふくまれこの筋線維は心臓のなかでおこつた刺激を上から下に伝える役目をするので,刺激伝導系とよばれています。心臓は肺と同じように表面が2重の膜でつつまれており,これを心嚢といいます。
 心臓は上下左右の4つの部屋にわかれています。左右の心房と心室がそれです。心房と心室,心室から大きい血管への出口にはそれぞれ弁があつて血液が逆流しないようになつています。心臓の役目は全身に血液をおくり,血液のなかにふくまれている酸素,栄養素,ホルモン,ヴイタミンなどを体内の各種臓器,組織におくりこみ,老廃物をうけとつてからだの外におくり出してやることです。図1でおわかりのように全身をまわつた血液は上下大静脈に集められ右の心房におくりこまれます。ここから右の心室に入り肺動脈によつて肺におくられ肺でCO2をすて02をとりいれて(肺のはなし参照)きれいな血液(動脈血)となり肺静脈をとおつて左の心房にもどり,左心室から大動脈を通じて全身におくりだされます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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