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検査技術者のなやみ—とくに細菌検査をめぐる問題
著者: 佐藤乙一1
所属機関: 1国立立川病院
ページ範囲:P.593 - P.596
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戦争を終えてまもなく14年めをむかえる。臨床検査法も昭和20年からその後2,3年頃と比較すれば,じつに進歩したものだとしみじみ考えさせられることが多い。
臨床検査というものが,今日のように重要視されていなかつたにもかかわらず,依頼されたものを検査するには,培地の調製から試薬の調製など,基礎となるものを作りあげるにも,非常な苦労を重ねたものである。とくに,その頃の物資不足から,1つの薬品を探しまわるだけでも,口や筆にはあらわし得ないほど骨折があつたことはいうまでもない。検査器械なども,質がわるく,検定がないため,量目もでたらめで,何ひとつをとつても満足すべきものはなかつたというのが,いわゆる戦後2,3年ごろの実情であつた。
戦争を終えてまもなく14年めをむかえる。臨床検査法も昭和20年からその後2,3年頃と比較すれば,じつに進歩したものだとしみじみ考えさせられることが多い。
臨床検査というものが,今日のように重要視されていなかつたにもかかわらず,依頼されたものを検査するには,培地の調製から試薬の調製など,基礎となるものを作りあげるにも,非常な苦労を重ねたものである。とくに,その頃の物資不足から,1つの薬品を探しまわるだけでも,口や筆にはあらわし得ないほど骨折があつたことはいうまでもない。検査器械なども,質がわるく,検定がないため,量目もでたらめで,何ひとつをとつても満足すべきものはなかつたというのが,いわゆる戦後2,3年ごろの実情であつた。
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