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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査3巻3号

1959年03月発行

雑誌目次

グラフ

顕微鏡写真装置

著者: 高橋昭三

ページ範囲:P.123 - P.130

 ①顕微鏡写真をとるためには,よい対物レンズ,接眼レンズの必要な事は言うまでもありませんが,その組合せ,顕微鏡そのものとレンズ,コンデンサー,光源の組合わせがよくなければなりません。
 例えば.アポクロマート対物境を使う場合は,コンデンサーはアプラナート,接眼レンズはコンペンス叉はWFを用いる等です。

高級技術講義

病原大腸菌の血清学的検査

著者: 小張一峰

ページ範囲:P.131 - P.135

 腸管系伝染病の病原菌を決定するためには,血清学的検査が重要な役割を演ずることは周知の通りである。中でも,病原大腸菌については欠くことのできない検査である。というのは,人体の腸管内に常時棲息する普通の大腸菌と乳幼児下痢症の原因となる病原大腸菌を区別する決め手は血清学的検査以外にはないからである。
 約40年前にドイツのAdamなどが,大腸菌が乳児の消化不良症の原因になる,という考えをもつたのであつたが,その後この学説は余り人汝の注目をひかずにいた。ところが,近年になつて英国の学者達がこの考えをむし返えして,産院や病院で乳児の間に流行する下痢症の原因はある種の大腸菌である,ということを発表した。丁度この頃に,従来もサルモネラなどの腸内細菌の血清学的分類を手広く行つていたKauffmannなどの北欧の学者達が,今まで難事とされていた大腸菌の血清学的分類のあらましを完成することができたのである。そこで,古くはAdamの消化不良症の原因と目された大腸菌も英国の学者達がα大腸菌大,β腸菌と呼んだ病原大腸菌も,Kauffmannなどの血清学的分類表に照らし合わせてみると一定の型のものであることが分り,ここに病原大腸菌という概念がはつきりとしてきたわけである。

技術解説

換気機能検査法(2)

著者: 横山哲朗

ページ範囲:P.137 - P.144

3.スパイログラムの計算
 9l-Benedict Roth型レスピロメーターのベルの断面積は207.3cm2)となるようにつくられているので,スパイログラムで1mmの高さの差は20.73ccの空気の出入に相当する(その時の温度,気圧で)。したがつてスパイログラムにおけるhmmの差に相当する容積Vは
V=h×20.73cc(ATPS)

濾紙の種類と使い方(6)

著者: 及川五郎

ページ範囲:P.145 - P.149

細菌濾過法と濾紙
 濾過によつて細菌を分離し除去する方法は今日広く行われて居る。大別して三種に分けられる。
 1.Berkefeld.法

座談会

検査室と色素

著者: 武田スミ ,   太田邦夫 ,   高橋昭三 ,   松村義寛 ,   松橋直 ,   天木一太 ,   樫田良精

ページ範囲:P.150 - P.165

色素とは
 樫田 色素は主に病理組織検査や,血液,細菌などの形態学的な面の検査に日常使われています。しかし色素は種類も非常に多く,また,同じ名前の色素であつてもよく染まるもの,染まりにくいもの,あるいは不純なものとかいろいろ癖があると思います。ただ本に書いてある通り自分でやつたんではうまく染まらないことをしばしば経験します。今日は,この方面に長年御経験のあるミノフアーゲンの武田さんを中心にいろいろ色素の話をしてみたいと思います。では武田さんまず一般的な色素の問題について。
 武田 臨床検査というのは,その名のとおりに考えますと,病理,細菌検査をおやりになつて居る方が,主として色素に関係がおありと思います。あいにく私は,そちらの方とは比較的縁がうすいので,多少見当ちがいになると思いますが,足りないところはのちほど補足して頂くことにしまして,組織学,細菌学の関係,つまり染色に関係した色素を,化学的にはどのように考えられるかという立場からお話させて頂きたいと思います。

『医学常識』

肝臓のはなし(Ⅱ)—肝機能検査法

著者: 鈴木秀郎

ページ範囲:P.166 - P.168

§.はじめに
 前回には肝臓がヒトの体の中でどんな仕事を受持つているかということをのべ,肝臓がおかされたときくるいろいろな症状とくに黄疸について詳しく説明しました。今回は肝臓がどれ程侵されているかを知るために検査室で現在行つているいろいろな検査法について話してみましよう。
 前にものべたように肝臓はヒトの体のなかで非常に広範囲かつ重大な仕事をいとなんでいる器官です。したがつて一口に肝機能検査といつても結局それは肝臓のもつている沢山の機能のなかのある特定の機能を検査しているにすぎないのです。肝臓の機能は多種類にわたつていますから,いきおい検査法の数も非常に多数になる訳です。いまその主だつたものを機能別に分類して表にあげてみると第1表のようになります。

検査室統計

一般細菌検査の統計的観察(昭和32年度)

著者: 星野孝 ,   永井吉造 ,   村山蓊助 ,   粟田口重美 ,   小山恒太郞 ,   桂川晶子 ,   鈴木葉子 ,   長沼恵子 ,   坂上のり子 ,   江森清子 ,   福岡芙美子

ページ範囲:P.169 - P.177

 さきに昭和31年度の一般細菌検査の統計的観察を報告して丁度1年になる。年を逐つて変化する感染症の様態を動態的に把握するには,この種の統計観察を一年毎に行う必要がある。今回は前年度と略々同じ集計方法によつて,昭和32年度の結核菌を除いた一般細菌検査について集計した結果を報告する。この統計を作るにあたつて,臨床検査部前副部長樫田良精博士,現副部長吉利和博士,細菌検査室運営主任川上保雄博士,技術主任岩田和夫博士の御指導・御厚誼に負う所が大きかつた。
 各科別検査件数は第1表に示すように,感性検査は全件数の約1/4を占めている。内科・小児科は60%,外科・整形外科・産婦人科は30%,その他の諸科は10%の検査物を依頼してきた。

〈検査室メモ〉

感性デイスク法の細菌接種方法について

著者: 金沢裕

ページ範囲:P.178 - P.179

 最近感性デイスク法による病原菌の化学療法剤感受性測定法が日常臨床検査として一般に行われる様になつた。感性デイスク法を実施するにあたつて,寒天平板上に菌を普通行われているようにコンラーヂ法で接種した場合に,デイスクのまわりに出現した阻止円がときに不正円型を呈し,判定または計測に困難を来たすことがある。
 不正円型の出現をさけるため,抗生物質のカツプ検定法で行われるように,菌を寒天培地に混釈して平板を作製し,または種層(seed layer)として基層寒天(base layer)に重層接腫する方法がとられている。これらの方法は操作が多少繁雑な上に,菌が寒天層内に,ある程度の厚さをもつて分布しているので,菌種によつてとくにサルファ剤では,二重リングを生じ計測に不便なことがある。

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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