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文献詳細

雑誌文献

臨床検査3巻8号

1959年08月発行

文献概要

技術解説

補体の取扱いかた

著者: 木村一郎1

所属機関: 1東京大学医学部血清学教室

ページ範囲:P.441 - P.446

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 梅毒血清反応の補体結合反応をはじめ日常臨床検査に補体がしばしば使われる。しかし補体の本質をはつきり理解していなければ良い結果は得られない。そこでこれを簡単に説明したのち話をすすめてゆきたい。補体とは各種動物の新鮮血清に含まれ,抗原抗体複合物に特異的に結合し,その結果これを溶解したり(溶血,溶菌作用),結合することにより自からの作用を失なう蛋白成分である。また物理的,化学的には非常にこわれやすく,加熱,薬品などにより容易にその活性を失ない,一般に感作血球**の溶解を目印しとして検出される。補体結合反応は以上の性質を利用したもので,補体に抗原,抗体をまぜるとそれは抗原抗体複合物に結合され,一定時間後感作血球をいれても溶血しない,しかし抗原または抗体の一方がなければ補体はそのまま残り感作血球は溶けるから抗原または抗体の検出ができる。ここでは梅毒補体結合反応である緒方法1)2)を中心としてその実際的な取扱かいかたを述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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