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特集 先端技術と臨床検査 Ⅰ画像診断
1二核種同時シンチグラフィーによるリンパ節の観察—悪性リンパ腫を中心として
著者: 小林裕1 小沢勝1 丸尾直幸1 近藤元治1
所属機関: 1京都府立医科大学第一内科
ページ範囲:P.1176 - P.1182
文献購入ページに移動近年,画像診断は,悪性リンパ腫をはじめとして各種リンパ節疾患において,全身のリンパ節の形態や機能を知ることによりその病態や治療経過を把握するうえで,非常に重要になってきた.現在,画像診断法としては超音波検査1),コンピューター断層法(CT)2,3),Kinmonth法によるリンパ管造影4,5),リンパ節シンチグラフィー6〜14)などがある.そのうち前三者は形態変化を描出しうるが,機能状態を反映しない.この点,リンパ節シンチグラフィーは形態のみでなく,網内系の機能をも併せ反映する検査と考えられる8〜10).
リンパ節シンチグラフィーは1953年Sherman6)に始まり,現在もよりよく病変を描出する放射性医薬品の開発が進められている.最近発売された99mTc—レニウムコロイドによるリンパ節シンチグラフィー9〜14)は,悪性病変を欠損所見としてよく反映するのみならず,病態変化をもよく反映する.しかし,欠損所見が腫瘍によるのか,奇形によるのか,鑑別が困難なことがある7,14),一方,67Ga腫瘍シンチグラフィーは,悪性リンパ腫やその他の腫瘍の補助診断として広く用いられている15〜21).ただし,悪性リンパ腫症例の10〜20%は67Ga陰性であること16〜20)や,炎症巣にも放射活性の集積がみられるため21〜22),リンパ節炎との鑑別が時に明確でないなどの欠点を有する.
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