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わだい
二次イオン質量分析機(SIMS)による組織内微量金属の測定
著者: 只野寿太郎1
所属機関: 1佐賀医科大学検査部
ページ範囲:P.1238 - P.1238
文献購入ページに移動 最近,計測技術や超真空技術などの進歩に伴って,プローブとして電子,イオン,光,X線などを利用する分析法が発達してきた.二次イオン質量分析機(secondary ion mass spectrometry;SIMS)はプローブに高エネルギーのイオン線を用い,試料中の微量金属を定量する目的で開発された機器である.
医学の領域において組織内での微量金属の動態はWilson病,ヘモクロマトーシス,各種重金属中毒などの例を挙げるまでもなく,極めて興味のもたれている分野である.組織内の金属の分析は,古典的には染色法があるが,非特異的なこと,定量性のないこと,特定の金属しか同定できないことなどから,研究的な目的には使えない.現在,原子吸収分析法,プラズマ発光分析法などが用いられているが,組織を溶液状態にするため,組織内での分布状態を見ることができない.
医学の領域において組織内での微量金属の動態はWilson病,ヘモクロマトーシス,各種重金属中毒などの例を挙げるまでもなく,極めて興味のもたれている分野である.組織内の金属の分析は,古典的には染色法があるが,非特異的なこと,定量性のないこと,特定の金属しか同定できないことなどから,研究的な目的には使えない.現在,原子吸収分析法,プラズマ発光分析法などが用いられているが,組織を溶液状態にするため,組織内での分布状態を見ることができない.
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