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特集 先端技術と臨床検査 Ⅲフローサイトメトリー
2フローサイトメトリーによる癌化学療法の分析
著者: 高本滋1
所属機関: 1東京都立駒込病院輸血科
ページ範囲:P.1266 - P.1270
文献購入ページに移動●はじめに
癌化学療法に関与する重要な因子として,抗癌剤,腫瘍細胞,宿主の三つが挙げられる.すなわち,癌化学療法の分析にはこれら3因子に関する基礎的知識が必要であり,理論的にはこれらの知識を有機的に駆使して初めて,癌化学療法の効果,つまり患者の生存率の延長が達成されると考えられる.3因子については種々の検索法があるが,本稿ではフローサイトメトリー(FCM)を用いた分析法について述べる.
FCMの詳細については成書1,2)に譲るが,本装置の特長は1秒間に細胞5,000個という圧倒的な測定速度,自動測定による高い客観性および定量性にある.さらに,分析機能だけでなく細胞分取機能をもつことも,本装置が画期的装置と称されるゆえんである.その応用範囲としては,細胞DNA量,表面抗原,染色体の検索,さらには遺伝子のクローニングへの応用と多岐にわたっている1,2).わが国では現在200台以上のFCMが全国の医療,研究施設で稼働している.
癌化学療法に関与する重要な因子として,抗癌剤,腫瘍細胞,宿主の三つが挙げられる.すなわち,癌化学療法の分析にはこれら3因子に関する基礎的知識が必要であり,理論的にはこれらの知識を有機的に駆使して初めて,癌化学療法の効果,つまり患者の生存率の延長が達成されると考えられる.3因子については種々の検索法があるが,本稿ではフローサイトメトリー(FCM)を用いた分析法について述べる.
FCMの詳細については成書1,2)に譲るが,本装置の特長は1秒間に細胞5,000個という圧倒的な測定速度,自動測定による高い客観性および定量性にある.さらに,分析機能だけでなく細胞分取機能をもつことも,本装置が画期的装置と称されるゆえんである.その応用範囲としては,細胞DNA量,表面抗原,染色体の検索,さらには遺伝子のクローニングへの応用と多岐にわたっている1,2).わが国では現在200台以上のFCMが全国の医療,研究施設で稼働している.
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