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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻11号

1986年11月発行

文献概要

特集 先端技術と臨床検査 Ⅳ遺伝子工学

3In-situハイブリダイゼーション法による遺伝子検索

著者: 小林信之1

所属機関: 1山口大学医学部寄生体学教室

ページ範囲:P.1296 - P.1302

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●はじめに
 一本鎖の核酸は一定条件下で,それと相補的な塩基配列を持つ一本鎖の核酸と特異的に架橋結合—ハイブリダイズ—することができる.この原理を用いて特定の遺伝子を検出することが,近年,急速に行われるようになってきている.それらの中にはDNAを検出するサザンハイブリダイゼーション法(Southernhybridization)1),RNAを検出するノーザンハイブリダイゼーション法(Northern hybridization)2)などがある.In-situハイブリダイゼーション法もこの原理を用いたものであるが,この方法は特に,DNAあるいはRNAをプローブ(probe)として用い,細胞,組織,さらには染色体上でプローブと相補的な塩基配列を有するDNA/RNAの局在を調べるものである.
 1969年にGa11とPardueにより,in-situハイブリダイゼーション法が初めてrDNA (リボソーマルDNA)の染色体上での分布の検索に応用されて以来今日まで,分子生物学的手法の急速な進展に伴い,本法は種々の遺伝子を用いて行われるようになってきている.とりわけ,ここ数年は単一遺伝子の染色体マッピングの方法の一つとして確立されてきている.従来ヒトの遺伝子の染色体マップは他種の生物と異なり交配実験ができないため困難を極めていたが,本法により非常に高い精度で行うことができるようになったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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