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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻11号

1986年11月発行

特集 先端技術と臨床検査

Ⅴ生体機能と測定技術

2サーカディアンリズム

著者: 川村浩1

所属機関: 1三菱化成生命科学研究所脳神経科学研究部

ページ範囲:P.1315 - P.1319

文献概要

●はじめに
 サーカディアンリズムは体内時計の活動に基づいて発生する,ほぼ1日の周期をもった生体機能や行動のリズムである.この現象は生物学の分野では以前から知られていたが,医学の分野で注目されるようになったのは比較的最近のことである.その理由の一つはたぶん,サーカディアンリズムを発生する脳の部位が具体的に解析されてきて,神経機構を研究する道が開け,単に現象として記述される状況を超えることができるようになったことであろう.
 人間に関係した分野で注意を引くのは,まず時差ボケ,交代勤務の影響など日常生活と関連して考えられる問題である.診療と関係した面では,治療薬の効果,診断テストの値などもサーカディアンリズムの影響を受けることがしだいに明らかにされてきており,無視できない要素になってきている.また動物実験で体内時計として視交叉上核(suprachiasmatic nucleus)と呼ばれる,視床下部内の小さな一対の核の重要性が明らかになってきている.そこで,人間においてもこのような時計構造の有無を検査することが,特に脳外科,神経内科の分野で期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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