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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻11号

1986年11月発行

文献概要

特集 先端技術と臨床検査 Ⅴ生体機能と測定技術

4テレメトリー

著者: 松本伍良1

所属機関: 1北海道大学応用電気研究所メディカルテレメータ部門

ページ範囲:P.1326 - P.1331

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●はじめに
 テレメトリー(telemetry)は遠隔計測と称されていて,半世紀以上も前に有線遠方測定方式として出現した.遠方に情報を送る手段としては,電気的な手法が迅速性,正確性,秘匿性などに優れているので,有線,無線の通信技術によるものが大部分であった.そして20世紀後半開始からの情報伝送技術の進歩に伴い,複数の情報を一度に送受できるようないわゆる多重化技術も発展してきた.バイオテレメトリー(biotelemetry)はこのような技術を生体情報に適用したものと考えられ1),現在は検査,リハビリテーションなどに広く用いられるようになってきていることは周知のところである.加うるに,光通信技術の最近の進歩に伴い,これをバイオテレメトリーに適用し,本来の特長を十分に生かそうとする試みも世界各国で行われつつあり,その重要性も認識され始めているのが現状といえる.
 最近の医療においては臨床検査の占める重要性がますます大きくなってきており,医師は,その客観的な検査データを基礎として診断や治療方針を立てている.臨床検査の項目内容も医学の進歩とともに増大し続け,質的なものに加え,より客観化できる量的表現の可能なものが多くなりつつある.中でも,生体の静止状態のデータとともに動的活動におけるデータと生体の状態との相関を解析する必要性が高くなってきており,医療の諸分野におけるバイオテレメトリーの重要性がクローズアップされてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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