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わだい
オムニスコープ
著者: 鈴木豊1
所属機関: 1東海大学医学部放射線医学教室
ページ範囲:P.1360 - P.1360
文献購入ページに移動 オムニスコープは,99mTcを用いて心臓のポンプ機能を簡便に測定するために開発された装置で,直径50.8mm,高さ25.4mmのシンチレーションプローブとメカニカルスキャナーを組み合わせた検出器とデータ処理装置から構成されている(図1).この装置の特徴は,以下のごとくである.すなわち,①移動が容易で,どんな場所ででも使用できること,②検出器の可動範囲が広く,どんな状態の患者にも実施できること,③小量のRI投与で短時間にデータを反復収集できること,④メカニカルスキャナーの利用により心臓の位置決めが容易にかつ正確にできること,などである.
心ポンプ機能の検査法には,RIをボーラスとして静注した直後の初回通過データを利用するファーストパス法と,99mTc標識赤血球ないし血清アルブミンを静注し,RIが全身の血液プールに均等に拡散した後にデータをとる平衡時法があるが,オムニスコープではこの両検査法ともできる.平衡時法では,心電図のR波をトリガーとしたマルチゲート法と,心電図同期なしに12秒間収集したデータを利用する方法とを選択できる(図2).後者は,一般のシンチレーションカメラ・コンピューターシステムを使っては実施不可能な検査法で,不整脈のある場合,あるいは運動負荷直後のように心拍数が急激に変化する場合の左室ポンプ機能の評価に適している.
心ポンプ機能の検査法には,RIをボーラスとして静注した直後の初回通過データを利用するファーストパス法と,99mTc標識赤血球ないし血清アルブミンを静注し,RIが全身の血液プールに均等に拡散した後にデータをとる平衡時法があるが,オムニスコープではこの両検査法ともできる.平衡時法では,心電図のR波をトリガーとしたマルチゲート法と,心電図同期なしに12秒間収集したデータを利用する方法とを選択できる(図2).後者は,一般のシンチレーションカメラ・コンピューターシステムを使っては実施不可能な検査法で,不整脈のある場合,あるいは運動負荷直後のように心拍数が急激に変化する場合の左室ポンプ機能の評価に適している.
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