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特集 先端技術と臨床検査 Ⅶモノクローナル抗体
2モノクローナル抗体による癌細胞抗原の解析
著者: 益子高1 橋本嘉幸1
所属機関: 1東北大学薬学部衛生化学教室
ページ範囲:P.1369 - P.1374
文献購入ページに移動●はじめに
ハイブリドーマ法によるモノクローナル抗体(MoAb)の作製法が確立されてから,10年以上が経過した.医学・生物学の分野では,特に癌細胞に対するMoAbが注目され,さまざまな種類のヒト癌細胞をターゲットとし,癌特異的なMoAbの開発が試みられてきた.これらのMoAbを用いた解析により,癌抗原と細胞増殖との関連,癌細胞に特徴的な糖鎖構造など,癌細胞の本質に迫る問題が明らかにされ始めている.臨床的にも,リンパ球サブセットを識別するMoAbに加え,癌の組織診断や血清診断に有用なMoAbが診断試薬としての位置を確立しつつあり,また癌患者へのMoAb投与による治療効果も,症例は少ないながらすでに報告されている.
本稿では,癌細胞に対するMoAbの作製,MoAbによる癌細胞抗原の解析に関して,一般的な方法論を述べるとともに,現状については,最も解析の進んでいるメラノーマ抗原を題材とし,さまざまな角度からの記述を試みた.
ハイブリドーマ法によるモノクローナル抗体(MoAb)の作製法が確立されてから,10年以上が経過した.医学・生物学の分野では,特に癌細胞に対するMoAbが注目され,さまざまな種類のヒト癌細胞をターゲットとし,癌特異的なMoAbの開発が試みられてきた.これらのMoAbを用いた解析により,癌抗原と細胞増殖との関連,癌細胞に特徴的な糖鎖構造など,癌細胞の本質に迫る問題が明らかにされ始めている.臨床的にも,リンパ球サブセットを識別するMoAbに加え,癌の組織診断や血清診断に有用なMoAbが診断試薬としての位置を確立しつつあり,また癌患者へのMoAb投与による治療効果も,症例は少ないながらすでに報告されている.
本稿では,癌細胞に対するMoAbの作製,MoAbによる癌細胞抗原の解析に関して,一般的な方法論を述べるとともに,現状については,最も解析の進んでいるメラノーマ抗原を題材とし,さまざまな角度からの記述を試みた.
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