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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻13号

1986年12月発行

文献概要

今月の主題 眼と耳 カラーグラフ

眼球の組織病理標本の作りかた

著者: 沖坂重邦1

所属機関: 1防衛医科大学校眼科学教室

ページ範囲:P.1606 - P.1608

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 眼球の組織病理標本作製に際し,注意すべきことは,①固定・包埋の過程で人工的網膜剥離を起こさせないこと,②検索すべき部分が標本に入っているように切り出しを行うこと,③肉眼的所見を十分に記録しておくこと,④適切な薄切・染色がなされていること,などである.
 眼球は,角膜・隅角・虹彩・毛様体・水晶体・硝子体・網膜・脈絡膜・強膜・視神経などの構造の異なる組織から構成されているので,各構成成分の固定による変化がほぼ一定であるように配慮する必要がある。よい切り出しは正確な組織病理診断にとって不可欠の条件であるから,視神経・黄斑・角膜の位置関係を十分に把握して眼球に割を入れる必要がある.組織病理診断は肉眼的所見を元にしてなされるのであるから,肉眼的な観察を十分に行い,できればカラー写真として記録保存しておくと,後日の診断に役だつ.眼球の場合,ヘマトキシリン・エオジン染色,PAS染色,Masson3色染色をルチーンにすることを推奨する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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