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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻13号

1986年12月発行

今月の主題 眼と耳

技術解説

聴性脳幹反応(ABR);—その概略

著者: 船坂宗太郎1 石井恵理1

所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.1615 - P.1621

文献概要

 1970年JewettやSohmerらにより,音刺激に対して頭皮上から誘導される潜時1.5〜7ミリ秒の一連の反応波が報告された.これが聴性脳幹反応(auditory brainstem response;ABR)である.
 本反応は6〜7個の陽性変動を有し,それぞれ第I波……第VII波と称される.これらの各波は聴神経〜下丘に至る聴覚路に起源を有し,それぞれ各核または各神経路との活動と対応している.もちろんfar-field potentialであるので厳密な対応ではないが,とにかくこのことは本反応が単に他覚的聴力検査の指標としてでなく,脳幹病変の一診断法の指標としても重要であることを物語るものである.本論文では,ABRの起源,その神経学的応用,聴覚学的応用について俯瞰的に述べた.近年ABRは耳鼻科のみならず脳外科,小児科,精神科においても広く用いられ,その有効性に対する評価がますます高まっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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