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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻13号

1986年12月発行

文献概要

研究

聴覚脳幹反応の両側同時記録に関する検討

著者: 川名ふさ江1 石山陽事1 中西成元1 橋本勲2

所属機関: 1虎の門病院臨床生理検査部 2東京都立府中病院脳神経外科

ページ範囲:P.1681 - P.1686

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はじめに
 外耳から音刺激を与えて,頭皮上から記録される聴覚誘発反応の早期成分(刺激から8msec未満)は,聴覚脳幹反応(auditory brainstem response;ABR)と呼ばれ,刺激から10msec以内に6〜7個の波形が出現する.これらの波形や潜時には個人差が少なく,再現性に富み,意識レベルや麻酔の影響を受けにくい安定した反応である,特にABRの各波形が脳幹聴覚上行路の各中継核を起源としていることがほぼ明らかにされてから,ABRの記録が神経学的機能診断法として有用であることが認められてきた1,2)
 ABRの記録には,頭皮上の中心部(Cz)と刺激側耳朶か乳様突起部にそれぞれ皿電極を装着し,双極導出を行うのが一般的である.これは頭皮上で記録されるABRの電位そのものが脳幹に由来するいわゆる遠隔電場電位(far field potential)であり,しかも頭頂部で比較的高振幅な電位が得られるためである.しかし,10/20電極配置法に基づくC3とA1,C4とA2の間でも良好なABRが記録されることから,われわれは従来の脳波検査同様左右同時記録を行い,刺激側と非刺激側におけるABR各波の潜時と振幅とを測定比較し,両側同時記録の意義について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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