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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻13号

1986年12月発行

文献概要

研究

血小板内ヌクレオチドの検討—生物蛍光法を用いて

著者: 毛利博1

所属機関: 1横浜市立大学医学部中央検査部

ページ範囲:P.1687 - P.1690

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はじめに
 血小板内ヌクレオチドは,代謝プールと貯蔵プールとに分かれて存在している.代謝プールは細胞質内にあり,膜輸送・物質の合成・放出反応・血餅収縮などエネルギー代謝と密接に関連している.二方,貯蔵プールはdense body中に存在し,代謝にはまったく関与せず,血小板に刺激が加わった際に放出されるものである.
 dense bodyに存在する物質が減少し,その結果,血小板の放出反応が障害される病態として,先天性あるいは後天性storage pool diseaseはよく知られているが,中でも後天性storage pool diseaseを示す中に,生体内で血小板凝集惹起物質により血小板内のdensebodyからATP,ADPなどが放出されて貯蔵プール中の物質が減少し,血小板凝集能の低下した活性化血小板が末梢血中を循環するものも含まれている.このように血栓形成に関与する活性化血小板の存在を証明する手段として,血小板内ヌクレオチドの測定は重要である.この測定には,ホタル・ルシフェラーゼ(fireflyluciferase)法1),酵素法2),高速液体クロマトグラフィー法3)などがあるが,手技が煩雑で熟練を要していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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