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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻4号

1986年04月発行

文献概要

今月の主題 ヘモグロビン異常 技術解説

ヘモグロビンの電気泳動

著者: 網美代子1 宮地隆興2

所属機関: 1山口大学医学部附属病院検査部 2山口大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.329 - P.335

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 正常ヘモグロビンにはHbA (α2β2,主成分で約90%),HbA2(α2δ2,約3%),およびHbF (α2γ2,約1%)があり,HbAに糖質の結合したHbA1(HbA1a,HbA1b,HbA1c)がある.HbFは胎児ヘモグロビンの主成分で生後6か月から12か月で成人の水準(約1%)になる.これらの正常成分のほか病的状態では変異ヘモグロビン,鎖合成の不均衡の結果生ずるHbH (β4)やHbBart's (γ4),またはヘム鉄の喪失した異常ヘモグロビンなどが存在する.これらの種々のヘモグロビンを分離検出する日常の方法に,ヘモグロビン分子の荷電差の変化を利用する電気泳動法が繁用される.ヘモグロビンの電気泳動法には支持体の種類により寒天電気泳動法,デンプンブロック電気泳動法,デンプンゲル電気泳動法,セルロースアセテート膜電気泳動法があり,支持体にポリアクリルアミドを用いヘモグロビンの等電点を利用して分離する等電点電気泳動法や尿素添加により,ヘモグロビンの鎖を分離する尿素解裂ポリアクリルアミドゲル電気泳動がある.一方,泳動時のpHは8.6と7.0の緩衝液を用い,また溶血液は酸素型,メト型およびシアンメト型を用いる.ここではセルロースアセテート膜電気泳動および等電点電気泳動について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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