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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻7号

1986年07月発行

文献概要

今月の主題 抗核抗体 技術解説

抗ヒストン抗体の検査

著者: 西間木友衛1 粕川禮司1

所属機関: 1福島県立医科大学第2内科

ページ範囲:P.706 - P.709

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 抗ヒストン抗体は自然発症SLEをはじめとするリウマチ性疾患に高頻度,高力価に検出されるが,特にプロカインアミドやヒドララジンなどの薬剤誘発ループス患者に検出されるのが特徴的である.検出方法としては,蛍光抗体法やELISAが使われており,特にELISAは感度が高く,簡便な方法として今後広く用いられる方法と考えられる.従来,自然発症SLEと薬剤誘発ループスの間にヒストン亜成分に対する抗体親和性に差異が認められるとの成績が多かったが,現在では両者間に抗体価や亜成分に対する親和性に差がみられないとする成績が有力である.
 特に,薬剤誘発ループス患者は,ヒストンに限定された抗核抗体のみが検出され,他の核成分に対する抗体は検出されないということから,抗ヒストン抗体の産生機序の解明は,自然発症SLEにおける自己抗体の産生機序の解明にもつながるものであり,今後の成果が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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