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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻7号

1986年07月発行

今月の主題 抗核抗体

総説

抗核抗体の種類とその臨床的意義

著者: 高野慎1 安倍達1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター第2内科

ページ範囲:P.711 - P.718

文献概要

はじめに
 抗核抗体(antinuclear antibody;ANA)は真核細胞の核成分を認識する自己抗体の総称であるが,核にも細胞質にもみられる抗原に対する抗体も含む.全身性エリテマトーデス(SLE)や他の全身性結合織疾患(CTD)の患者血清中に主として検出されるが,近年これら抗体の測定法が急速に進歩し,特異性の異なる多数のANAが発見された.しかも,これらANAの多くが臨床像と密接に関連し,ANAの測定や同定がCTDの診断,治療,予後判定のうえで欠かすことのできない検査となってきている.いまだANAがどのように病像形成に関与しているのか不明の点も多いが,対応抗原の分離,精製が進み,それらの生化学的検索から各抗原の生物学的役割も明らかになりつつあるので,この方面からの研究の進歩も期待されている.
 本稿では現在までに報告されたANAの主なものを取り上げ,その対応抗原の最近の知見,およびそれらANAの臨床的意義につき述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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