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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻7号

1986年07月発行

文献概要

シリーズ・微量元素の検出法・1

必須微量元素分析法

著者: 野本昭三1 下里文子1

所属機関: 1信州大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.751 - P.754

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 人体を構成している元素は多量(bulk element)と微量(trace element)とに分けて扱われることがあって,生化学または栄養学の成書の中ではおよそ15種くらいのものが微量元素として挙げられている.すなわち,コバルト(Co),クロム(Cr),銅(Cu),フッ素(F),鉄(Fe),ヨウ素(I),マンガン(Mn),モリブデン(Mo),ニッケル(Ni),セレン(Se),ケイ素(Si),スズ(Sn),バナジウム(V),亜鉛(Zn),ヒ素(As)などがそれで,マグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)は多量元素の中に入れられている.これらの分類は一日の必要摂取量や体内の総量を判断の基準にして行われている.一方,生体試料中の元素を定量的に分析する立場でみた場合は,体内総量としては多量であっても組織局在的にはきわめて微量な部分があって,これを微量元素として扱わないことつこうが悪い場合がある.この項では,微量元素の中から主として必須金属と言われているものの検出について述べることになっているが,分析手法が共通している関係から,治療薬剤として用いられている金属(金(Au),白金(Pt)など)や環境医学の中で扱われる鉛(Pb),カドミウム(Cd)などにも対応できる内容になった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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