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ピロガロールレッド—モリブデン錯体試薬を用いる尿および髄液の蛋白質定量法
著者: 渡辺信子1 亀井幸子1 大久保昭行1 山中學1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.778 - P.781
文献購入ページに移動尿中蛋白質の定量は歴史が古く,もっとも普及している検査の一つでもあり,多くの方法が報告されている1〜18).現在広く使われているのはスルフォサリチル酸を用いるKings bury-Clark法2)であるが,この方法は蛋白質種間,特にアルブミンとグロブリン間で反応性に大差があるという欠点がある.一方,蛋白質種間の反応性が近似しているビウレット法を使う方法8〜11)は,感度が低く,また尿中常在成分の影響があり,それらを回避するための操作が煩雑になっている.また,色素法13,14)は感度が高く,操作性にも優れているが,セルへの色素吸着や測定範囲が狭いことなどの欠点がある.
ピロガロールレッド—モリブデン錯体と蛋白質との結合を応用した新しい原理に基づく方法16〜18)は蛋白質種間の反応性の差が小さく,高感度で,測定範囲が広く,自動分析装置に適用可能な方法である17).今回この方法にさらに細部にわたって改良を加えた尿中および髄液中などの体液微量蛋白質の定量キット「MicroTP-Test Wako」(和光純薬社)が発売され,これについて検討したので報告する.
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